続・家内の一大事2009年12月14日

 健康診断のレントゲン検査で肺に異常が見つかった家内に付き添って先週の月曜日、三田の兵庫中央病院を訪ねた。CT検査の結果見つかった粒状の塊の正体を突き止めるため血液検査が行われた。肺結核と肺癌の懸念を調べる検査だ。その結果は1週間後の診察で告げられることになった。血液検査の結果次第では、過酷で危険な肺カメラ検査が待っている。浮かない表情で不安げな気分を隠そうとしない家内に付き合いながら一週間が過ぎた。
 10時の診察予約で診察室に呼ばれたのは10時半だった。前回同様、家内の後ろの椅子に座って診察に付き添った。血液検査の結果が記された書類を前に、開口一番、年配の担当医から朗報が告げられた。「結論から言いますと、どの検査も特に問題はありませんでした」。(良かった~ッ)。「肺癌を調べる腫瘍マーカーの検査も肺結核の検査も黴菌感染症の検査も全て基準値以内でした。念のため二ヶ月後にもう一度CT検査をして今回との比較を見た上で最終判断としましょう」。
 11時過ぎには病院を後にした。最寄りのスーパーで昼食用にお弁当でも買って帰ろうということになった。お弁当を物色しながら気が変わった。良い検査結果を祝って、ここは一番太っ腹オヤジになるのも悪くない。自宅近くに高級回転寿司店がある。確か先日のチラシで旬の素材を扱った寿司祭りをやっていた。私の奢りと聞いて当然ながら家内はすぐに乗ってくる。「北海三昧」や「こぼれ三昧」など、ボリュームのある新鮮で珍しい素材の盛り合わせ握りに舌鼓した。
 リタイヤ後、夫婦で過ごす時間が多くなった。時としてそれは双方にとっての煩わしさにもつながりかねない。反面、一方の危機は、その配偶者にとっての危機でもあることをあらためて教えてくれる。時として訪れる危機が、配偶者に対し寛大さと優しさを促してくれる。