新興住宅街の餅つき大会2010年01月24日

 朝11時、住宅街のコミュニティーセンター玄関前の広場で、4台の大太鼓が晴れ渡った青空に響いた。周囲を老若男女の大勢の住民が取り巻き、四人のボランティアのバチさばきを見つめていた。在住する新興住宅街の青少年愛護協議会(青愛協)主催の初めての餅つき大会のオープニングだった。
 朝から青愛協関係の20名ほどのボランティアがこのオープンに向けて準備に大わらわだった。杵、臼、鍋釜、コンロ、セイロ、皿、割り箸などの道具の準備、もち米、醤油、きな粉、あんこ、片栗粉、塩、大根、お湯などの材料手配と下準備である。建物横ではプロパンコンロにかけられたたくさんの鍋釜でもち米が湯気をあげている。
 オープニング太鼓の後、蒸し上がったばかりのもち米が二台の臼に移される。ボランティアたちが少しこねた後、つき手が行列をつくって並んでいる子供たちにゆだねられる。今や餅つきは電動化している家庭が殆んどだろう。杵と臼の昔ながらの餅つき風景を見ることは少ない。その本物の餅つき体験の期待が親子連れの行列を作る。子供たちが覚束ない手つきで子供用の小型の杵を振り降ろす。親たちは我が子の雄姿をおさめようとデジカメや携帯のスイッチを切っている。周囲の人の輪が時間の経過とともに膨れ上がる。
 玄関横の大会議室で突きたて餅が振舞われる。部屋の中は子供連れの大勢の住民で熱気に溢れている。突きたての熱々の餅を手で切っていては間に合わない。ハンドルを回すだけで同じサイズの餅がカットされる2台の持ち切り機が威力を発揮している。きな粉餅、よもぎ餅、あんこ餅、大根おろし餅、ぜんざい餅などの多彩なお餅に、子供たちは嬉しい戸惑いをみせている。
 11時から2時までの3時間のイベントだった。300人以上の住民の参加を得て、この初めての試みは大成功の内に終了した。青愛協の新春の恒例イベントとして定着するに違いない。新興住宅街の地域の世代を超えたコミュニケーションの場がまたひとつできたことを喜びたい。ボランティアとしてこのイベントを支えた関係者たちの貢献に感謝するばかりだ。