異業種交流会「ドイツ・ロマンチック街道サイクリング二人旅」2010年02月10日

 昨晩、4か月ぶりに異業種交流会の例会に出席した。講師は会員のOさんとその中学時代の友人Iさんである。昨年9月にドイツのロマンチック街道をレンタサイクルで走破した、その16日間の体験ツアーの報告会だった。最初にOさんからツアー報告資料をもとに20分ほどのスピーチがある。
 「定年退職を目前にして老後の趣味を模索していた時、『ドイツロマンチック街道サイクリング一人旅』」という本に出会った。これだ!と思った。それからロマンチック街道サイクリングツアーの挑戦を夢見て準備を始めた。自転車を購入し、琵琶湖一周などのサイクリングツアーで訓練を積む。ロマンチック街道自転車道の地図や資料を入手する。準備は整ったものの一人旅の不安がつのる。友人の『一緒に行こう』の言葉に背中を押され、5年がかりの夢実現に踏み出した。」
 コースはフュッセンからヴュルツブルグに至るアルプス山麓からマイン河畔までのコースである。通常の観光ルートとは逆のコースのようだが、サイクリング走破のため高低差600mの下りコースを選択したとのこと。なるほど、逆ならばエライ目にあってた筈。続いて旅の印象や感想が述べられる。
 「利用航空機がエアーチャイナだったため、ドイツでは中国人と思われ厳しい対応を受けた。パスポートの赤い色で日本人と分かり急に親切になった。ドイツ人の日本人への親近感を感じた。宿泊は主にGh(ガストホーフ)という小規模で比較的安価な宿を利用した。家族経営が多く、宿の年配の女主人との楽しい交流があったり、夕食で隣り合わせた7人連れのファミリーと意気投合して盛り上がったりした。ローデンブルグで知り合ったご夫婦のお宅に泊めて頂いたりもした。個人旅行ならではの愉しくて貴重な体験だった。」
 そのほかOさんの感じたドイツやドイツ人の印象などが披露された。自己責任意識の強さ、環境対策の熱心さ、平坦な国土でのアウトバーンの普及、物づくりでの頑丈さへのこだわりなどである。日本にあってドイツにないものを挙げながら日独の文化の違いなども語られた。
 続いて、現地でIさんが撮影したビデオの30分ほどのDVD編集版がプロジェクターで流された。BGMも流れる本格的な編集だった。随所でIさんの解説が入る。
 「480Kmを10日で走破しなければならなかった。完走第一で観光するゆとりはない。スケジュールをめぐって二人で口論する場面もあった。」
 ツアーコンダクターの資格を持ち観光への関心の強いOさんに対し、小学校教諭の現役生活の長かったIさんは修学旅行での生徒たちの無事第一の引率体験が重い。二人の想いの違いが口論につながったという。道に迷ったこともしばしばあったようだ。愉しいだけでない体験も多々あったと思う。それでも一人では乗り切れない困難も、二人だからこそ乗り越えられたたという実感がコメントににじんでいる。自転車に乗りながらの風景撮影や現地の人たちとの交流場面などDVDから流れる動画が生々しくツアーの模様を伝えてくれる。
 思えば幼い頃、男の子たちはまだ豊かな自然の残る故郷で、ガキ大将たちと山野を駆けめぐる冒険に出かけたものである。今再び団塊世代のお二人は、還暦を過ぎての無謀とも思える冒険旅行に出かけた。長かったビジネスライフを終えた時、荒野をめざした青年の心に戻って、リタイヤ生活のスタートを切った。言葉の通じない異国での480kmにわたる街道を、二人きりで走破する。男のロマンを感じさせる魅力的で羨ましい体験というほかはない。「自分の健康や家族との関係など、周囲の状況を考えれば今しかないと思った」。冒険旅行を決断させたOさんの言葉を噛みしめた。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック