今どきのお母さんたちの二つの子育て障害2010年11月03日

 昨日の午後、北部地区の補導活動連絡会が開催された。6月に続いて2回目の開催だった。前回同様、今回も文部科学省作成のDVD「ちょっと待って、ケータイ2」の視聴を元にしたグループ別懇談がメインだった。
 9名のメンバーによる私たちのグループでは、まず地元小学校の先生に口火を切ってもらった。携帯を持たないことや携帯に出なかったり返信メールをしないことが仲間外れやいじめの口実になりかねないという子供社会の想像以上の実態が報告された。対策は「親子の会話環境づくり」「フィルタリング加入」ということぐらいしかないという心細いものだった。ただ自身の体験談として語られた事例は傾聴に値するものだった。「息子の携帯の過剰利用対策で、携帯料金引き落とし用の本人名義の銀行口座を設け、限度額以上に引き落とされると自動的に携帯利用ができなくなるようにした。息子自身に自己責任で携帯利用の管理をさせることでかなり効果があった」というものだ。
 それにしても今どきのお母さんたちの子育てには二つの大きな障害が立ちはだかっていると思う。ひとつは携帯に代表されるIT環境の普及である。子供たちは母親の手の届かない世界に極めて安易に出かけてしまう環境ができてしまった。しかもその環境を我が子に与えなければ除け者にされかねないというのだ。もうひとつは母親自身の子供と向き合う時間が限定されてきたことだ。長く続く景気停滞は、多くのお母さんたちに否応なくパート勤務やフルタイム勤務を余儀なくさせている。そのことがまた子供に携帯を持たせざるをえない環境をもたらしている。それ以上に自身の子供と向き合う時間の減少が、時に子供たちと真正面に向き合うことをためらわせたり避けたりすることにることに繋がりはしないだろうか。
 二つの障害を指摘し、だからこそより一層親として子供のことを真剣に見守っているという気持ちを伝えることの大切さを述べた。特に初めて携帯を与える時こそチャンスだ。親の気持ちを伝え我が家での携帯使用ルールやフィルタリング加入の意味を理解させる対話の絶好の機会ではないかと提案した。もちろん中学、高校生の子供たちには携帯利用料の本人口座引き落としなど本人の自主性を尊重した対応も有効だと思う。親としての子供の見守り姿勢を大前提に、年齢に応じた様々な対応が必要ではないだろうか。