昼酒は堪える2010年12月14日

 出身企業労組の役員OB会があった。毎年この時期の恒例行事である。大阪なんば宗右衛門町の料理屋が定例会場である。開会の12時にはOB、現役合わせて20人余りが顔を揃えた。
 OB、現役のそれぞれの代表が挨拶し海鮮鍋を囲んでの懇親となる。今年40周年の歴史を刻んだ組織のOB会である。私を含め既にリタイヤを迎えた年長者から30代の年少OBまで参加者の年層は幅広い。三つに分かれたテーブルには自ずと近い年代ごとの顔ぶれが着席する。
 40分ばかりの会食懇親の後、いつものようにアイウエオ順の近況報告となる。ところがその頃には誰もが十分にアルコールに浸されている。1年ぶりの邂逅に話しも弾んでいる。会場前方での近況報告はしばしば場内のざわめきに空しくはじき返されるのも致し方あるまい。いつもは用意されたマイクの音量で制圧するのだが今回はこれもなし。順番が回ってきた。まじめな近況報告は断念することにした。「飲み会の季節です。テキーラと灰皿には近づかないように心掛けているこの頃です。以上です」と席に戻った。途端に一斉にブーイング。「近況報告になってない!」との怒号。得たり!と再び登場。なんとか聴衆の耳を傾けさせて再報告を終えた。
 近くの喫茶店で二次会となる。私の娘よりも若い女性役員と隣り合わせた。酒の勢いもあって思わずオヤジじみた説教を垂れてしまう。現役時代から酒の席の言動で物議をかもしたものだ。その性癖は今尚治らずと反省しきり。帰路のみちすがら媒酌をつとめた後輩OBと話しが盛り上がる。誘われるままに最寄りの居酒屋ののれんをくぐる。それでも何とか5時前には無事JR大阪駅に辿り着く。尼崎乗り換えの快速電車に乗るまではセーフ。シートで目覚めたのは尼崎を出た直後だった。次の停車駅でUターン。大幅遅れの帰宅となった。昼酒は堪えるとぼやきながら我が身の愚かさを罵っていた。