中野の橋脚の鎮魂歌2011年09月05日

 昨日、取り壊し直前の旧国鉄有馬線の中野の橋脚を訪ねた。小雨の中を様々な角度からその雄姿を画像に納めた。帰宅後にはその訪問記をブログに綴った。
 地域紹介サイト「にしのみや山口風土記」を立ち上げて以降、「旧国鉄有馬線」は風土記の中でも主要なテーマだった。とりわけ中野の橋脚跡は廃線後の遺構としては最大規模で山口に現存する唯一の史跡だった。その史跡の消滅前の最後の雄姿である。ブログで掲載できる画像は限られている。切り取った画像を多くの人に公開したいと思った。「風土記」の執筆・管理者としてはそれは義務ですらあると思った。
 今日、そんな気持ちで「旧国鉄有馬線」のサイトに「さよなら中野の橋脚」と題したサイトを追加更新した。http://www.asahi-net.or.jp/~lu1a-hdk/yamaguti-husigi-arimaline-kyoukyaku-sayonara.htm
 1915年に開業した旧国鉄有馬線は第二次大戦遂行という国策のもとにわずか30年の短い歴史を閉じた。その最大のモニュメントである中野の橋脚はバイパス工事によって取り壊しが決定した。遺構を愛する人たちに最後の雄姿を見納めてもらおうと計画された「さよなら橋脚現地見学会」は折からの大型台風の直撃で急きょ中止となった。どこまでも不運で哀しい宿命を背負った「橋脚」だった。
 更新したサイト「さよなら中野の橋脚」は、私の消えゆく橋脚への鎮魂歌でもある。