断末魔の橋脚跡2011年09月09日

 昨日の4時過ぎに旧国鉄有馬線の中野の橋脚跡を再訪した。4日前に訪ねた時、工事関係者から明日から撤去工事を始めるという話しを聞いていた。橋脚の保存を巡ってバイパス工事が大幅に遅れていた。関係者間の調整で9月3日の「さよなら橋脚現地見学会」翌日から撤去工事を始めることになっていたようだ。工事開始後の橋脚跡の画像を納めておきたいと思った。
 晴れ渡った青空の下で橋脚跡の撤去工事が進められていた。現場事務所へのアクセス道からフェンスに囲まれた現場に着いた。二台の大型シャベルカーがアームを上下させ橋脚周辺を掘削している。北側の台脚の姿は既になく掘り出された石塊で覆われていた。辛うじて十八丁川中央に立つ真ん中の橋脚が石塊に囲まれて頭部分を残していた。周辺が整備された南側丘陵の台脚はほぼ全体が残されている。
 デジカメ撮影中に工事関係者と雑談をした。今工事をしている業者は古い橋脚の撤去とバイパス用の新たな橋脚の建設を請負っているとのことだ。その新しい橋脚は来年1月末に完成予定という。その頃にはこの辺りの風景はすっかり変貌しているにちがいない。かつてこの地に旧国鉄有馬線の橋脚があったという痕跡はどこにもなくなることだろう。
 このブログの記事とて例外ではない。実態としての橋脚跡の断末魔の姿がバーチャルな形でWeb上に記されるのみである。