青柿が坂道を転がった2011年09月17日

 台風の予感が伝わる空模様だった。いつもどおり朝6時前に散歩に出かけた。住宅街から田圃道に抜ける坂道を降りていた。
 黒々とした舗装路の真ん中に、鮮やかな黄緑の青柿がポツンとひとつ落ちていた。昨夜の強風にあおられてすぐそばの柿木から抜け落ちたにちがいない。
 いたずら心がウォーキングシューズのつま先で青柿を触れさせた。丸い青柿が転がった。坂道をどこまでも転がった。熟すことなく落下した青柿の転がる姿に哀しさが漂っていた。
 秋がすぐそばまで近づいていた。