空気を読む2011年09月23日

 4年前に大阪府労働委員会労働者委員に就任して以来、出身企業労組の顧問を兼ねることになった。その結果、毎年この時期の労組定期大会にも出席する。10分程度の労働委員会での活動報告を行い引き続き顧問の委嘱承認を得るためだ。
 昨日は、その定期大会の日だった。130名ほどの代議員たちが出席する大会である。思いのほか活発な質疑があり、全議案が終了した時は予定時間を1時間近くオーバーしていた。その後、二人の顧問の報告がある。
 「労働委員会の制度疲労」をテーマに、この1年間の委員会活動で痛感していた想いを述べるべく原稿を準備していた。昭和24年施行の労組法を根拠におく制度の発足後60年近くを経て顕在化してきた制度枠組みと経済や労働実態との乖離に触れるつもりだった。ところが予定時間の大幅な遅れは、そうした重いテーマを述べるだけの時間的ゆとりを許容しないと判断した。急きょ予定原稿を白紙化しアドリブで短時間の報告に切り替えた。
 「4回目の報告だが聞く側は顔ぶれが一新されている。大阪府労働委員会の労働者委員とは何かを話したい。話題の多い橋本知事に任命された府の特別職の行政委員だ。公益、労働者、使用者の各委員11名ずつが任命されている。公労使の三者構成で使用者と労働者・労働組合の紛争の調査、斡旋、和解を行う仕事だ。60年近い歴史で初めてこの産業から選任されたことの意義は大きいと思っている。毎年7~8件の事件を担当している。可能な限り労使の当事者が納得して合意する『和解』を目指している。和解のポイントは労使双方の気分や委員会の場の空気を読んでタイムリーに和解案を提示することだ。今日の大会は大幅に予定時間をオーバーしている。今この場の空気を読んで、以上で私の報告を終えたい」。
 最後に一部関係者の笑いをとっていささか強引な結びで報告を終えた。

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