映画「草原の椅子」2013年03月16日

 先日の大阪市大病院の半年ぶりの診察の日のことだ。11時半の診察の後、5時からの労働委員会の定例会までたっぷり空き時間があった。前日にネットで大阪ステーションシネマの12時25分上映の「草原の椅子」を予約した。
 市大病院の受診科待合室には担当医師の診察状況がディスプレイに表示される。到着して確認すると、なんと60分遅れの表示だった。大幅な上映時間遅れを気にしながら待つこと60分、ようやく診察室に呼ばれた。先週の腫瘍マーカー検査の結果を聞いた。問題なしとのことだった。手術後6年を経過し異常は認められず、今後は半年に1回のCT検査だけで良いとのことだった。
 大阪ステーションシネマには1時20分に着いた。2時間20分の上映時間の半ば近くが過ぎていた。最初に目に入ったのは、ともに50歳の遠間(佐藤浩市)と富樫(西村雅彦)とアラフォーの美しい女性・貴志子(吉瀬美智子)がカウンターバーで飲んでいるシーンだった。前半の経過が分からないまま、この三人に4歳の少年・圭輔を中心にストーリーが展開する。三人の大人たちは、それぞれに様々な葛藤を抱え苦悩を背負って生きている。母親に虐待され心に傷を負い正常な言葉を失った圭輔を、それぞれの苦悩を通して理解し見守ろうとする。遠間と富樫の中年過ぎの友情や、遠間と貴志子の大人の控え目な恋を絡めて、4人は世界最後の桃源郷と呼ばれるパキスタン・フンザへ旅立つ。大自然の砂漠に身を置き、現地の長老の言葉を聞きながら、遠間と貴志子は圭輔との新しい家族をつくることを決意する。
 家族や地域や職場での絆の希薄化・崩壊が語られて久しい。東日本大震災で多くの人々の家族が崩壊し、地域の繋がりが寸断した。旧来の日本的な人と人の関わり方の根底が揺らいでいるのだろうか。この作品はそんな時代状況の中で、あらたな関わり方の姿を描いているかにみえる。大自然を媒介にしながら、自分自身に素直になることからしか出発するほかはない。そんな素朴なメッセージが伝わる。
 それにしても女優・吉瀬美智子の美しさと演技力を実感させられた。30代でモデルから転身し今やアラフォーの遅咲き女優である。佐藤浩市や西村雅彦といった実力派俳優たちに伍して見事に清楚で芯の強い役柄をこなしていた。前半を観れなかった不完全燃焼感はあったものの、初めての吉瀬美智子の出演作品に癒された。

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