NHK団塊スタイル「親と自分の見守り対策」2013年04月13日

 昨晩、NHKEテレの「団塊スタイル・親と自分の見守り対策」を観た。毎週金曜日夜8時に放映されるお気に入り番組で、ハートネットテレビやバリバラなどNHK教育テレビの魅力的な福祉番組のひとつだ。
 超高齢化社会を迎えた日本で、孤立死が社会問題になりつつある。還暦を過ぎ、高齢者の仲間入りを始めた団塊世代たちにとっても、孤立死は他人ごとではない問題になってきた。今回のテーマは年老いた親を持ち、近い将来見守られる立場になる団塊世代たちにとっての、孤立しないための“見守り"の三つの事例の紹介だった。「地域の見守り」「自治体の見守り」「IT見守り」である。この内、大いに参考になった「地域の見守り」について紹介しよう。
 東京近郊の戸建て住宅街の片倉台自治会の取組みである。1600世帯、人口5千人で高齢化率38%の街である。13年前に自治会内に福祉ネットワークを立上げ、住民同士で助け合う「困り事支援」活動が始まった。自治会館を拠点に住民コーディネーターが週三日、電話やFAXで自治会員住民の困りごとを受け付ける。受け付けた困り事は登録された住民ボランティアに伝えられ、お宅を訪問して対応する。支援活動は自治会費で賄われ、困り事支援は無料である。困り事は、蛍光灯の交換、枝切り、通院付添いなど独り暮らしの高齢者を中心に様々である。何よりも困り事支援で高齢者宅を訪問することが「見守り」につながる。家の様子によっては民生委員に連絡し対応を依頼する場合もあるという。また自治会館で月に一度「すいとんとおしるこの会」などのイベントを開く。お年寄りの引きこもりや孤立を防ぐ意味もある。お互いが定期的に顔を合わせることで相互の見守りにつながっている。
 「自治体の見守り」で「救急医療情報キット」が紹介されていた。独り住いの高齢者宅に、かかりつけ医療機関や緊急連絡先などを記入した用紙を筒に入れ冷蔵庫に保管しておく。冷蔵庫扉にはキットがあることを表示したシールを貼ってあるので駆けつけた救急隊員は迅速に対応ができるというものだ。このキットは、私の所属する社協でも「安心キット」の名称で導入が検討されている。キットの配布を通して地区の見守りを必要とする高齢者の実態が把握できる。ぜひとも早急に導入を進めたいと思う。
 私の在住する住宅街も片倉台自治会と同じような規模と環境にある。高齢化率も超高齢化の21%をとっくに超えている。高齢者の困り事支援や見守りの仕組みづくりが迫られている。ところがその中心となるべき自治会は毎年役員が一斉に入替るため、新たな取組みや長期の課題に対応し難いのが実情だ。とはいえ先送りされてきた高齢化対策はもはや待ったなしの局面を迎えている。おりしも明日、自治会の定期総会を迎える。民生委員6年目の立場から「高齢者の困り事支援と見守りの仕組みづくり」について発言しようと思っている。