自治会総会での「高齢化対応」の提案2013年04月14日

 今日、在住の住宅街の自治会総会があった。約1800世帯もの自治会員を擁する大規模な街である。住宅街にある小学校の体育館を借りて開催される。28回目を迎えた総会は、その積み重ねた回数分だけこの街の成熟度を物語っている。9時半開会の総会に151名の会員の出席と873名の委任状が報告され、総会成立が宣言された。
 活動報告・決算報告の最初の議案が説明され、質疑に入った。民生委員6年目を迎えた今年の総会では従来ほとんど議論されてこなかった高齢化問題について意見を述べるつもりだった。事前に整理したメモを手に次のような意見を述べた。

 「民生委員の立場から意見を述べたい。私たちの町は高齢化率22%と超高齢化社会を迎えた。高齢の皆さんの家具移動、電球交換、庭の手入れ、買物・通院の足の便などの困り事や、ゴミステーション当番や自治会役員の輪番などの不安をよく耳にする。災害時の安否確認、体調不良時の緊急連絡、防犯・火災など不測の事態の対応など高齢者の見守り環境の遅れも目につく。そんな環境のこの町は、坂道の多さもあり高齢者には住み辛い町になっている。そのため阪神間のマンションなどに転出する高齢者もあり、空家も目につきだした。空家の増加は、防犯、美観上の環境悪化を招き、住宅街としての魅力や資産価値の低下につながることになる。
 高齢者のお世話は、民生委員、社会福祉協議会(社協)分区、老人会、自治会などが担当するが、それぞれに問題を抱えている。民生委員は、この町では1人当たりの担当が300世帯、住民1000人、高齢者200人と個別フォローの限界を超えている。多くのボランティアを擁する社協分区もその高齢化と固定化が続き、新たなメンバーの参加が少ない。老人会の加入率は16%程度で相互の繋がりは限られている。自治会は1年任期の役員が毎年一斉に入替る。そのため新たな問題や長期の課題に取り組みづらい事情がある。中心となる自治会の事情で関係組織間の連携がとれないことも対応の遅れにつながっている。
 こうした事情はあっても高齢化対応は待ったなしの局面を迎えている。当面、自治会が中心になって、民生委員、社協分区、老人会の代表者による連絡会を設置してほしい。そこで『高齢者見守りと困り事支援の仕組みづくり』の協議を始めてはどうか。この問題の、もうこれ以上先送りは許されない。ぜひ自治会の前向きな対応をお願いしたい。」

 これに対して、現会長から「提案に前向きに対応できるよう新役員に引き継ぎたい」旨の回答があった。会場から関連意見が出された。私の提案に賛同した上で、実施が先送りにならないよう連絡会の立上げそのものを約束すべきというありがたい意見だった。新会長は、青少年補導委員として1年間一緒に活動をした40代の主婦である。総会後に彼女と連絡会設置に向けての打合せを行った。これまでの延7年間に及ぶ地域活動の手応えが感じられた総会だった。