映画「インビクタス/負けざる者たち」2014年11月05日

 先日、BS-TBSで放映された映画「インビクタス/負けざる者たち」の録画を観た。久々に見応えのある余韻の残る映画だった。27年に及ぶ投獄生活を経て南アフリカ大統領に就任したネルソン・マンデラの就任直後の民族和解の奮闘を描いたものである。
 大統領就任直後、マンデラは初登庁の日に前政権のスタッフだった白人職員を集めて呼びかける。「辞めるのは自由だが、新たな南アフリカを作るために協力してほしい。あなたたちの力が必要だ」。白人政権によるアパルトヘイトで長期に投獄され数々の障害まで負ったマンデラの民族融和の呼びかけである。アパルトヘイト体制下での国際社会からの経済制裁や人種間対立、民族間対立で疲弊しきった国を再生する上で民族融和は何としても成し遂げなければならないテーマだった。高い志を持って困難を乗り越えようとする強い意志に支えられたマンデラの呼掛けに多くの職員が同意する。
 マンデラは側近たちの反対を押し切って、ラグビーというアパルトヘイトの象徴的なスポーツの南アフリカ代表チームを全面的に支援する。自国で開催されたワールドカップで代表チームが見事に決勝戦を制した時、南アフリカは初めて人種や民族を超えた一体感を共有する。
 マンデラが繰り返し口にする詩が印象的だった。「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり」。超越した克己心をもって苛酷な運命を切り開いた不屈の精神の呟きである。「負けざる者たち」の原点というべきか。
 民族対立が激化している。ちまたで、ネット上で、傍若無人なヘイトスピーチが横行し、民族対立を煽っている。そんな状況下でのこの作品の観賞だった。ネルソン・マンデラの崇高な精神を噛み締めた。

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