山口公民館講座「隣町風土記・名塩を歩く」2014年11月09日

 昨日は私の第11回山口公民館講座「隣町風土記・名塩を歩く」の日だった。ご近所さんや住宅街の老人クラブの皆さんと同じバスで集合場所のJR名塩駅前のロータリーに着いた。既に公民館推進員の8名の皆さんが集合し、受付を始めてもらっていた。定刻の1時半にはお子さん二人を含めて総勢43名の方が集合した。講師として簡単な挨拶をして出発した。
 駅と高台の名塩ニュータウンを結ぶ高低差60mの斜行エレベーターに乗車する。初めての人も多くこの乗車自体が講座のポイントでもある。下車した先のコートには画家・彫刻家の池で田満寿夫氏のモニュメントとレリーフがあった。地元・東山台在住の名塩探史会の方からの情報だった。
 東山台の住宅街を西に向かい広大な塩瀬中央公園に向かって長い階段を降りた。円形広場の先を抜け山中の杣道に入った。しばらく行くと下滝が見えた。前回の下見では雨上りで豊富な水量を目にしたが、今回はわずかに二筋ほどの流れを確認するばかりだった。
 丘陵の斜面に建ち並ぶ集落の細い路地を抜けて教行寺に着いた。事前にご住職に連絡しご案内をお願いしていたこともあり、すぐに本堂に案内され、還暦過ぎのご住職の講話を伺った。破天荒でユーモア溢れる話ながら親鸞の教えに帰依する道筋を体験的に語られたと受け止めた。講話の後、本堂前の階段で参加者全員の集合写真を撮った。シャッターを押して頂いたのはご住職の息子さんだった。
 教行寺の急な坂道の参道を教蓮寺、源照寺を横手に見ながら176号線まで降りた。信号を渡り蘭学通りを東に向かう。すぐにJA名塩支店玄関先に建つ緒方八重の胸像前に着いた。ここで名塩探史会の江本さんに頂いた八重夫人の生家である旧・億川邸の拡大写真が役立った。参加者に写真を示しながらJA支店の建物が億川邸跡地に建てられたもので億川邸の一角で伊藤慎蔵の蘭学塾が開塾されたと説明した。
 蘭学通りを東に進み、名塩八幡の参道を南に向かった。江戸中期の年号の刻まれた石の鳥居をくぐり境内に着いた。秋祭りには8台もの壇尻が勢揃いする広場である。境内正面の長くて急な石段をのぼり本殿に参拝した。本殿のガラス戸越しに岩倉具視卿奉納の提灯が見えた。
 名塩川沿いの風情のある小路を西に進み名塩和紙学習館に着いた。2階の展示室で名塩和紙の歴史パネル、和紙の現物、道具等を見た後、集会室で「名塩和紙」の15分ビデオを試聴した。ここが最終ポイントであり解散場所でもある。最後の挨拶をして散策講座を終えた。曇りがちながら天候にも恵まれ、年配の方の参加も多い起伏のある屋外散策だったが、全員無事に修了できたことが何よりだった。目の前のバス停で16時過ぎのバスに乗車し帰路に着いた。