NHKクローズアップ現代「どう過ごす ペットと老いの日々」2014年11月16日

 NHK総合テレビの情報番組「クロ-ズアップ現代」は気になる番組である。興味深いテーマをそのつどチェックし視聴している。11月11日放映の「どう過ごす ペットと老いの日々」も考えさせられる好番組だった。
 今や高齢者、とりわけひとり住まいの高齢者にとって、ペットは人生最後の日々の大切な伴侶となっているケースが増えている。家族以上にペットに愛情を注ぎ、中には同じ墓に入りたいと死後も一緒の暮らしを願う高齢者もいるという。
 番組ではペットとの相互依存の強いひとり住まいの4人の高齢者が登場する。
・趣味の三味線を愛犬に聴かせるのを楽しみに生きている85歳のおばあちゃん。自分の食費を切り詰めて愛犬に手づくりの餌を与え続ける。
・一刻も早い手術が必要な白内障を患う90歳のおばあちゃんは「飼い猫の世話があるから」と頑なに入院を拒み続ける。
・81歳で病に倒れて以来、引きこもりになった父親に娘が犬を贈った。父親に変化が現われ始めペットサロンにも出かけるようになる。定期的に訪問するヘルパーが証言する。「頑固な老人を、温和な思いやりのある老人に変えた」。地域の人に囲まれ7年間愛犬と共に暮らした父親は89歳で亡くなった。
・3匹の猫を飼っている67歳の女性は猫たちの行く末を考えた時、やがて訪れる自分の死を意識するようになる。体調管理のためスポーツクラブにも通いながら余生の生き方を見つめ直し、徐々に身じまいの整理を始める。飼い猫たちのことも猫好きの仲間と、万が一の時はお互いに引き取る約束をしている。
 
 番組は、高齢者のおひとり様がペットと過度に依存関係に陥ることで社会との接点を失い、孤立するケースが相次いでいると指摘する。「ペットは情緒的にはすごくサポートをしてくれる存在だが、具体的で実際的な問題が身の回りに起きたときに助けてくれるのは、やはり人間だ。人との関係が断たれれば、いざというときにサポートを得ることができなくなってしまう」「猫や犬を通じて、お互いに助け合えるような人間関係を作っていくっていうことが、一番大事になってくる。だけど、なかなかそうはいかない。そのためには、やっぱり自分がおひとりさまとしてどう生きていくかという、そういうことが大事だと思う」という専門家のコメントで結ばれる。