教員の苛酷な勤務実態と非正規化による学校崩壊2015年07月28日

 今朝の朝日新聞デジタルのニュース「苦情対応や報告書、先生の7割『負担』 文科省が初調査」を読んだ。http://digital.asahi.com/articles/ASH7Q7R8TH7QUTIL055.html OECDが昨年に発表した国際調査で、日本の中学教員の勤務時間が参加国で最長だったことを受けて文科省が実施した調査結果の報告だ。公立小中学校の教職員が負担に感じている仕事の7割以上が「保護者からの苦情対応」や「研修リポートの作成」をあげた。いずれも授業や生徒指導とは別の仕事だったという報告である。記事には記者のある教員の1日の苛酷な密着取材の模様も添えられている。
 年一回、トライやる・ウィーク事前学習の講師として地元中学校の教諭と接触する機会がある。その際に垣間見たのは記事にあるような現場教師の長時間勤務の実態だった。しかも公立小中学校の教職員の非正規雇用化が進んでいるという。文科省調査でもそれは平成24年度で16%にも及んでいる。
 こんな現実がある中で、いじめ等の事件が起こると、ともすれば現場教師たちが批判にさらされることに違和感がある。新自由主義的施策が教育現場にも非正規雇用化を推し進めている現実に怒りすら覚える。まともな研修もないまま教壇に立つ非正規教員。教育の継続性が保たれない1年契約の不安定雇用。教育そのものの細切れ化が進む現実。そうした現実の下で教師たちは長時間勤務に耐えながら懸命に現場を支えている。教育の荒廃を招いている行政サイドの構造的な要因にいつになったらメスが入るのだろう。
 未来を担う子どもたちの教育現場に非正規雇用という信じがたい現実がまかり通り、過酷な勤務実態は放置されたままである。少子化の危機を語る政権が、片やで子どもたちの教育を荒廃させる施策を平然と推し進めている。超高齢社会の介護の危機を語る政権が、平然と介護報酬を切り下げるのと同じ構図である。

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