名来の西生寺の桜が消えた2015年11月24日

 今朝の散歩道だった。名来の集落を走る旧街道沿いに西生寺という小さな寺院がある。その前を通りがかってふといつもと違う景色が気になった。本堂前の小庭に桜の切り株が無骨な姿をさらしていた。伐採されたばかりのようで切り口が生々しい。以前撮影した真っ盛りだった桜の風景と比べてみた。
 本堂正面でご近所のおばあちゃんのお参り姿があった。向き直ったおばあちゃんに声をかけた。「この桜の木はどうして切られたんですかね。樹齢を重ねた立派な桜だったんですが・・・」。申し訳なさげな顔つきで「大きくなりすぎて本堂の改修工事の邪魔になっていると聞きました」とのことだった。
 西生寺はその昔、道場日下部の蒲公英城主松原貞利の母が帰依して度々参詣した。信長の三木攻め折に秀吉軍に抗して松原氏がこの寺に陣を構えたため焼き討ちされ衰退したと伝わる。
 それにしても樹の町・山口の銘木が次々と消えていくことに寂しさと哀しさが募った。