旧友宅の花まつり2016年05月09日

 一月ほど前に高校時代の親友K君から連絡があった。毎年年末に旧交を温めている友人である。昨年末に会った時、彼の自宅で毎年行われる花まつりが話題になり、ぜひ一度お参りしたいと伝えていた。連絡はその案内だった。
 昨日の日曜日がその花まつりの日だった。彼の自宅は姫路にある。私の実家のお墓のある名古山の近くでもある。お彼岸の墓参に行けなかったので早目に自宅を出て墓参りをした。家内と一緒にお墓掃除や草抜きを終えてお勤めをした。墓石の背景に修理を終えた白亜の姫路城が望まれた。
 K君宅に10時過ぎに到着した。高校時代に何度か訪ねた茅葺家の旧家は今はない。当時の畑だった場所に建てられた大きな屋敷に招かれた。仏壇横の床の間に蓮華の花に覆われた花御堂が設置されている。その中の甘茶を満たした桶にお釈迦様の誕生仏が据えられている。甘茶を仏像にかけてお参りをした。
 聞けばこの行事は150年くらい前から営まれているという。K君の曾祖父が始めた法会が今尚受け継がれている。朝から同じ寺の門信徒、ご近所さん、親族、知人友人たちが入れ代わり立ち代わりお参りする。主人であるK君はそのつど抹茶や煎茶を振る舞いながら接待する。奥さんも茶菓子の手配や茶器の入替えなどに余念がない。
 寺院でもない一般民家が4代150年にも渡ってこれほどの法会を継承するのは並大抵ではない筈だ。男児に恵まれなかったK君だが一人娘にようやく男の子が誕生した。「この法会を継承してくれる男児の孫誕生に主人が一番ほっとしている」とは奥さんの弁である。12時前にK君宅を辞した。