今なぜ有償ボランティアなのか?2016年06月06日

 2週間前に地区ボランティアセンターが運営に着手した有償ボランティア・よりそいサポートの住民説明会を開催した。ボランティアコーディネーターとしてこの制度設計に深く関わった立場から説明役を引き受けた。制度や仕組みの説明もさることながら、制度導入の背景や趣旨を伝えることが欠かせない。以下はその要約である。

■よりそいサポートとは?
『住民どうしの助け合いで自立生活を支援する有償のボランティア活動』である。「住民どうしの助け合い」「自立生活支援」「有償ボランティア」という三つのキーワードで構成される。
■有償ボランティア導入の背景と趣旨
①高齢者等の自立生活支援ニーズの増大
地区の高齢化率は26%とその進展が著しい。分譲開始後30数年を経た住宅街は、団塊世代の比率が他の世代に比べ突出し2025年問題は地区のテーマそのものである。独居高齢者、高齢夫婦世帯、要介護者世帯等の増大も著しく自立生活支援ニーズが急増しつつある。
②介護保険改正後の地域生活支援事業の対応の遅れ
介護保険が改正され日常生活支援事業が市町村の地域支援事業に移行する。市の地域支援事業が着手されたが地域で対応できる環境は不十分で対応の遅れが否定し難い 
③地区ボランティアセンターのボランティアの高齢化と減少
登録ボランティアの平均年齢は70.4歳と高齢化し64人の登録者も年々減少している。提供する活動も移送ボランティア(カーボランティア)がほとんどで家事支援の提供活動は殆どない。ボランティアセンターの現状の仕組みのままでは新たな自立生活支援ニーズに対応できない。
■有償ボランティア「よりそいサポート」の立上げ
そこで以下の狙いから有償ボランティアの立上げに取組んだ。
①日常生活支援ボランティアの有償化でサポーター、利用者の双方を新たに募る
②リタイヤおじさんや子育て卒業母さんの「報酬のある地域活動参加」で新たなサポーターを発掘する
③低価格の有償サービスによる利用者の利用促進
④地域住民同士の助け合い活動で安心安全な支援の実施(シルバーセンター利用や便利屋さんとの違い)
⑤元気がなくなった世代を元気な世代が順番に支えていく循環型の支援の仕組みづくり