公民館講座「有馬風土記」の下見2016年07月30日

 昨日の午前中、4人の公民館講座推進員の皆さんと2時間半ばかり有馬を散策した。11月10日開催の「隣町風土記・有馬」の散策講座の下見だった。
 9時25分頃に有馬温泉のターミナルでバスを下車し当日散策予定のコースを出発した。すぐ南側には商店街と神社仏閣が集まった有馬の中心街がある。「金の湯」から「温泉寺」「湯泉神社」「太閤の湯殿館」「極楽寺」を巡った。次の「念仏寺」では樹齢300年と言われる沙羅双樹の樹をみておきたいと思っていたところ、勝手口から住職らしき方が出てこられた。これ幸いとお声かけしたら気さくに座敷の奥の縁側に案内して頂いた。縁の向こうの庭には雀石と蛤石に挟まれた立派な沙羅双樹が立っていた。住職から豊臣から徳川への政権交代期の逸話などをまじえた貴重ないわれをお聞きした。
 「銀の湯」の前を通り右手の通称タンサン坂を上がると炭酸泉源公園に出た。有馬6カ所の泉源のひとつで神社のような建物の中に石の井戸があり、ここから炭酸泉が湧き出ている。井戸の手前にある蛇口から井戸水を飲んでみると鉄っぽい味がした。炭酸泉は有馬名物の炭酸煎餅に使われ名前の由来となっている。公園の向かい側にある炭酸煎餅の老舗・三ツ森の立派なお店が印象的だった。
 公園を南に向かいリゾート施設の横の階段を上がると有馬の南端を東西に走る通称こぶし道に出る。西に向かってしばらく行くと鳥地獄と虫地獄の石碑の建つ谷あいがある。愛宕山麓の穴から湧き出た炭酸ガスで近づいた鳥や虫が死んだと伝わる場所である。
 引き返してこぶし道の中間の南に位置する高い石段を上った。射場山の中腹に建つ有馬稲荷神社の参道である。石段先には更に曲がりくねった山道が続く。ようやく境内に辿り着いた。立派な拝殿とその奥に建つ格調のある本殿が格式の高さを窺わせる。舒明天皇・孝徳天皇が有馬温泉に行幸された折に有馬行宮が造営され、その守護神として祀られたというゆかりがある。
 こぶし道を東に向かい杖捨橋を渡り瑞宝寺公園に到着した。廃寺となった瑞宝寺跡を整備した公園である。伏見桃山城から移設された風情のある山門がひと際印象的である。境内の公園一角に「太閤の石の碁盤」がある。碁盤を置いた石の台かと思ったがよく見ると石そのものに縦横に細かな線が刻まれ石自体が碁盤であると知った。この公園は紅葉の名所として知られ11月2~3日の有馬温泉大茶会の会場にもなっている。11月10日の散策講座では紅葉のベストシーズンのこの公園でぜひ時間を取って散策しようと打合せた。
 杖捨橋まで戻り杖捨坂を北に下り雪国神社を西に折れた。カーブの突き当りに林渓寺がある。真宗大谷派の別院で「湯山御坊」と呼ばれ、境内には樹齢200余年の紅梅の古木が立つ。その先は昆布や有馬筆などの土産店が並ぶ風情ある湯本坂である。すぐ左手に湯煙のたつ妬(うわなり)泉源の櫓がある。赤ポスト前を北に折れて坂を上った先には天満宮(天神社)境内にある金泉が涌く天神泉源がある。石の鳥居の向こうに建つ勢いのある湯煙の櫓は有馬温泉を代表する泉源の風情を漂わせている。
 12時前に出発地の太閤通のバスセンターに出た。2時間半の下見はちょうど散策講座当日の時間配分に相当する。お年寄りの多い受講者を想定すれば急な階段と登り坂の有馬稲荷神社は訪問スポットから除外する他はない。ゆったりした散策ペースや瑞宝寺公園での休憩を兼ねた散策を考慮したコース設定を確認して下見を終えた。

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