新興住宅街の盆踊りと「ふるさと意識」2016年09月06日

 住宅街の盆踊りも無事終了した。開催にむけて主催の自治会を中心に地域組織の代表者が集まって実行委員会が何度か開催された。その時の議論で「ふるさと」というキーワードが話題になった。
 2千世帯5千人を擁する新興住宅地である。分譲開始後30数年を経て移り住んだ住民の子どもたちの多くが巣立っていった。異邦人の親たちにはなじみのない町だが、生まれ育った子どもたちにとっては「ふるさと」である。巣立った後も実家のある帰省先である。分譲開始後まもなく始まった盆踊りは、彼らにとっては懐かしい風景であり思い出である。少子高齢化が著しい我が町の盆踊りも手をこまねいておれば衰退の一途を辿りかねない。巣立った子どもたちが孫たちを連れて帰ってくるのが楽しみになるような盆踊りにできないか。そんな議論だった。残念ながら初めての議論で時間切れで終わった感がある。
 新興住宅街と言えども長い歳月を経て、共通の思い出を重ねる中で「ふるさと」意識が芽生えている。住宅街のど真ん中につくられた小学校は30回近い卒業式を数え、多くの同窓生を抱えている。彼らにとっての「ふるさと」とはどんなものなのだろう。「ふるさと」を思い起こさせる同窓会やクラス会は開催されているのだろうか。
 新興住宅街にとっての「ふるさと意識」を考えさせられた今年の盆踊りだった。