じいちゃんとお留守番2016年10月07日

 早朝ウォーキングから戻ってきた。リビングに入るとちゃんこした花ちゃんの姿があった。目ざとくじいちゃんを見つけてじっと見つめてくれる。いつもと違うこの風景に思わず頬が緩んでしまう。
 夕方、花ちゃんの食材調達に母ちゃんがばあちゃんと一緒に出かけるという。花ちゃんをじいちゃんひとりに託すことの一抹の不安を口にしながら二人がそっと姿を消した。
 花ちゃんは最初の内はすこぶるご機嫌だった。Eテレの「おかさんといっしょ」に身を乗り出したり、じいちゃんの読み聞かせ始めた絵本を取り上げてひとりでいじり回したりして遊んでいた。母ちゃんが買ってきたばかりの花ちゃん用のタオルで遊んでいた時だ。突然花ちゃんが泣き出した。商品説明のタグにくっついていたシールをいつの間にか剥がしていた。そのシールが指先にくっついてしまい手を振って剥がそうとするが取れない。もう一方の手で剥がすほどの智恵はない。こうなれば泣くしかない。その愛らしい顛末を眺めながら泣き顔を画像に納めた。
 玄関で二人が帰っってきた気配がした。花ちゃんの泣き声を聞かれてはバツが悪い。慌ててじいちゃんがシールを剥がしたがしばらく泣きやまない。母ちゃんの姿を見つけた花ちゃんがようやく泣きやんだ。30分ばかりの花ちゃんとの二人ぼっちのお留守番のバツの悪い結末だった。