鎌田實著「〇に近い△を生きる」2016年12月09日

 鎌田實著作の4作目「〇に近い△を生きる」を読んだ。発行元のポプラ社の「ポプラ新書」の創刊号のようだ。ポプラ社はポプラ新書発刊に当たって「生きるとは共に未来を語ること、共に希望を語ること」と題した宣言を巻末に掲載している。
 「〇に近い△を生きる」というこの著作は発刊元のそんな気負いを感じさせる作品だった。この作品のテーマは裏表紙に端的に語られている。「今の日本に必要なのは『別解力』。たった一つの『正解』に縛られるのではなく幾つもある「別解」の中から〇に近い△を見つけていきましょう。会社の中でも、家庭の中でも、地球の中でも、みんながより幸福にあたたかく回転していくために・・・・。」
 そして随所にそうした生き方のヒントが提示される。印象的だった事例を記しておこう。「今までの慣例を壊していくと必ず、後ろ指をさされたり、批判されたりする。(略) いいのだ。どんなにいいことをしても、批判する人がいていい。だが、その口を封じてはいけないのだ」「打たれ強い『出る杭』になることが、今の日本で生きていくためには大事。(略)打たれた時の弱さも、つらさも、さらけだしてしまえばいい。杭は徐々にたくましくなり、打たれても打たれても、負けない杭になる。『別解力』のある生き方や△に生きる生き方は、一つのイズムに自分をがんじがらめにしない生き方である。がんばるだけでは、もろくて、壊れやすい。ところどころ、がんばらない生き方をしていると、ガラス細工のようではなく、鋼のように、柔かで強い『新しい人間』になる。」
 この作品からも多くの人生の味わいと生きるヒントをもらった。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック