初めての障がい者家族との交流2017年03月14日

 市社協主催の北部地区懇談会があった。知的障がい者家族と社協分区や施設等の地域交流会である。朝10時から12時まで山口公民館会議室で開催された。会場には三グループに分かれたテーブル席が準備され、山口と塩瀬に分かれて約30人の参加者が着席した。
 冒頭、社協地区担当からこの懇談会の趣旨や経過が述べられた。知的障がい者本人と保護者の会「手をつなぐ育成会」が会員相互の地区ごとの情報交換の場として始まったとのこと。その後地域とのつながりや助け合いを趣旨に幅広い参加者に呼掛け、市社協主催となって3回目の現在は様々な立場の人の出会いの場となっているようだ。
 続いてワークショップで疑似体験をした。四つの枡に区切られた白紙に絵を描くことが求められる。最初はリンゴ、続いてボール。同じテーブルの10人の面々がそれぞれに描いている。リンゴではほぼ同じ形状でもボールになると様々な球技のボールが描かれる。続いてのお題は「チョット」である。これは難しい。私は指先を摘まんだ絵を描いたがコップに少しだけ水を描いた人も多い。最後は「チャント」である。衣類を畳んだり、本を整頓したりとこれはもうてんでばらばらのイメージで表現される。コメントされたのは「絵に描けないことを伝えるのがいかに難しいか。それだけに様々な表現がありどれかが正しいという事でない」ということだった。知的障がい者と接する際の基本の考え方をこの体験が教えてくれる。
 最後は同じテーブルでのグループトークだった。私のテーブルでは山口地区の障がい者家族会「パズルの会」や育成会のメンバーなど7人の障がい者家族と社協や障がい者施設の関係者3名が語り合った。家族の皆さんの障がいを抱えた子どもたちの日常生活の状況が縷々語られた。西宮浜の作業者に車で送る日々での親子の語らい。毎日のバス通学中の心ない乗客とのトラブルとその後の交流。押し入れなどの狭い空間に入り込むことで落ち着く子どもたち。重度障害に加えて心臓疾患を発症した子どもの話し。就労することで得られた給料を使って電車に乗ることやぬいぐるみを手にできるようになったことに喜びを見出す子どもたち。そんな様々な報告の最後に「親亡き後の不安」が語られた。「北部地区に一日も早くグループホームができてほしい」「グループホームという選択肢以外にも地域とのつながりの中での選択肢はないものか」。身につまされる訴えだった。
 私からもコメントした。「社協分区は障がい者支援も課題のひとつだが高齢者支援や子育て支援に比べると不十分であることは否めない。対象エリア内の家族会との出会いの機会がなかったこともある。その意味で今日の出会いは貴重だった。これをきっかけに本格的な連携の在り方を検討したい」。
 障がい者家族の皆さんと直接交流し生の声を初めて伺った。得ることの多い貴重な2時間を過ごした。