英雄たちの選択「“知の巨人”南方熊楠の闘い 熊野の森を守れ!」2017年03月24日

 好きな番組のひとつであるBSプレミアム「英雄たちの選択」の録画を観た。今回は「“知の巨人”南方熊楠の闘い・熊野の森を守れ!」である。かねてから南方熊楠という興味深い人物のまとまった人物像を知りたいと思っていた。好きな番組で取り上げられたので躊躇なく録画した。
 見応えのある番組に仕上がっていた。前半は「知の巨人」という形容にふさわしい熊楠の前半生の知の探究の足跡が紹介される。その研究分野は粘菌の研究をはじめとして博物学、民俗学、人類学、植物学、生態学など多岐に及ぶ。そのバックボーンには英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ラテン語、スペイン語に長け、漢文の読解力も高く古今東西の文献の渉猟がある。イギリスの著名な科学雑誌『ネイチャー』誌に生涯で51本の論文が掲載されていることでも彼が世界的な逸材であったことがわかる。
 番組では熊楠が生涯で出会ったかけがえのない三人の人物を紹介する。イギリス留学中に出会った孫文、神社合祀令の反対運動で支援を仰いだ柳田邦夫、和歌山県の神島僥倖に際して御進講した昭和天皇である。その出会いの共通項は、固有文化の尊重、自然との共存、生物の多様性や生態系の維持といった点にある。
 100年前の明治・大正期に果敢な人生を生き抜いた南方熊楠という「知の巨人」の足跡にあらためて脱帽した。

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