大荒れの自治会総会!〇に近い△という選択肢は?2017年04月10日

 住宅街の自治会総会が開催された。定刻の9時半には152名の自治会員が会場の小学校体育館に集まった。会場の雰囲気がいつもと違う。聞けば明日の入学式に備えて体育館はすっかり入学式バージョンに衣替えされている。その装いのまんまの総会設営だった。
 自治会執行部から事前配布された議案書には問題の多い原案が記載され波乱含みの総会が懸念されていた。蓋を開けると予想以上に激しい意見の応酬と混乱に満ちた総会となった。閉会予定の12時になっても会場を二分する議案の収拾のメドがたたない。議長の精一杯の議事進行の提案にも関わらず、採決に至る手順すらコンセンサスが得られない。最終的に私から次のような収拾案を提案し拍手承認されて決着した。「対立する二つの論点を新会長をはじめとする新役員が関係者の意向を聞き取りながら継続審議することとし、これを前提に他の議案はすべて承認する」。新副会長による閉会挨拶を終えたのは1時過ぎだった。ようやく大荒れの総会が出席者にかつてない亀裂と分断をもたらして幕を閉じた。
 混乱の背景のひとつに自治会で永年継続されてきた予算措置に対する自治会長の修正意欲の強さがあったと思う。具体的には「募金の自治会拠出」と「関係団体助成金」である。昨年現役をリタイヤした直後に就任した会長にはそれらの措置は改革すべき因習のように見えたのだろう。ところがそれらの措置はそれぞれに地域のコミュニティを維持する上でかけがえのない予算措置であるという根強い声もある。それぞれの立場の違いによる意見の相違はあって当然である。
 問題はその協議の在り方である。自治会役員は任期1年で一斉に入れ替わる。そのため方針変更を意図した場合短期間で決着する他ない。今年に入り二三回の班長会議での協議で重大な方針変更が一気に議案として決定された。しかも議案提案でなく予算案の数字変更のみの提案である。そのため総会の場で会長の口頭による趣旨説明が延々と繰り広げられた。加えて「班長会議という皆さんの代表が決定した方針がなぜ受け入れられないのか」といった会長の総会の意義を否定するかのような発言が火に油を注いだ。
 非加入や退会が相次ぎ自治会基盤の脆弱化が懸念される昨今である。そんな状況での自治会の最優先の課題は自治会員の共感とコンセンサス形成に留意しコミュニティ機能をより強化することではあるまいか。会長のリーダーシップとはそのためにこそ発揮されるべきであり、決して自身の考えを通すことがリーダーシップではあるまい。今回の総会では班長会議での決定という大義をかざした会長の自身の考え方の固執が、自治会の亀裂と分断をもたらすというもっとも避けるべき事態を招いたように思えてならない。「〇か×か」という二者択一の選択肢でしか議論できなかったことの不幸な結末でもある。
 とはいえ辛うじて新役員のもとでの二つの論点の継続審議というコンセンサスが得られた。執行部原案に反対した側も現状の問題点については改善にやぶさかではない筈である。関係者のひとりとして冷静な協議を通して「〇に近い△」という選択肢を見い出だしたい。

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