地域ケア会議と福祉ネット2017年08月08日

 6月にある独居高齢女性の地域支援のための地域ケア会議が開催され、その女性の担当エリアの民生委員として出席した。会議後、主宰者でもある地域包括支援センターの責任者とのやりとりで、この会議は正確には「個別地域ケア会議」ということだと知った。そこで「地域ケア会議」と「個別地域ケア会議」との違いを含めてあらためて「地域包括ケアシステム」の全体像を調べてみた。
 「地域ケア会議」は、厚労省が推進する「地域包括ケアシステム」の実現のための根幹の会議体のようだ。厚労省発信のネット情報では「地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法」とある。ここでいう「高齢者個人に対する支援」が個別地域ケア会議」なのだろう。そして「それを支える社会基盤の整備」が「地域ケア会議」の役割ということになる。
 個別地域ケア会議を主宰する地域包括支援センターの責任者に訊くと個別会議は何度か開催したが地域ケア会議は開催していないとのこと。前述の情報では日常生活圏域(概ね中学校区)毎に設置された地域包括支援センターが個別ケア会議を主宰すると同時に圏域ごとの地域ケア会議も開催するようだ。
 ところが個別会議のメンバーである医療、介護の専門職と民生委員、地域住民で「社会基盤の整備」という地域ケア会議を開催するにはかなり無理がある。地域包括支援センターの責任者が自治会、地区社協、老人会、ボランティアセンターなどの住民組織に会議参加を呼びかけるのは現実的には難しい。
 そんな整理をしながら思ったのは、福祉ネットこそが「地域ケア会議」の役割を担っているのではないかということだ。福祉ネットの役員、オブザーバー、アドバイザーの構成メンバーは厚労省がイメージする地域ケア会議の構成員そのものであるし、高齢者、障がい者、介護者支援という福祉ネットの目的は地域ケア会議のめざす社会基盤整備とオーバーラップする。
 ここに至って福祉ネット立上げ時に想定した「住民主体の地域包括ケアシステムの構築」というイメージが現実的なものとして結びついたと思った。