地区社協福祉講座「訪問介護と訪問診療」2017年10月15日

 地区社協の福祉講座「訪問介護と訪問診療」が開催された。直前の民生委員の高齢者実態把握調査の訪問でこの講座を口コミで案内したところ多くの人から受講の意向が伝えられた。そんなことから会場いっぱいの受講者があるのではないかと期待した。
 ところが蓋を開けてみると受講者は36名だった。過去の福祉講座の平均を上回る受講者数だが、期待した人数をかなり下回った。それでも担当地区の受講者は16名と対象の6地区全体の4割を超えた。全戸配布のチラシで案内したものの他地区との比較で口コミの威力をあらためて思い知った。
 2部構成の講座だった。第1部は福祉ネット役員でもある地域包括支援センターの武藤センター長から「認知症発症時等の介護保険手続」をテーマに話してもらった。認知症についての概要、症状、支援の在り方等の解説の後、介護保険の認定手続きや介護サービスの利用の仕方等を具体的に分かりやすく説明してもらった。
 第2部は福祉ネットのアドバイザーでもある「おかざきクリニック院長」の岡崎医師である。在宅医としての経験を活かして「自宅での看取りと緩和治療」をテーマに在宅医療という選択肢についての解説や在宅緩和ケアの現状が紹介された。「在宅緩和医療を続ける中でレスパイト(家族の休憩ケア)や看取りのために緩和ケア病棟に入院することもあって良い。入院は決して負け戦ではない」「緩和ケアとは患者本人だけでなく介護家族も含めたけあである」等、何件もの在宅看取りの経験者ならではのメッセージが印象的だった。
 合わせて1時間40分ほどの講演後には会場から質問が相次いだ。それぞれに差し迫った在宅医療や介護認定問題に関わる突っ込んだ質問だった。お二人の講師からそれぞれの専門分野ごとに的確に回答してもらった。
 最後に主催者を代表して「今後も引続き同様のテーマでの講座を開催し、在宅医療の地域レベルの情報共有を通じて在宅ケア環境の底上げをはかりたい」と締めくくった。