「政治手法」というもうひとつの選択肢2017年10月16日

 衆議院選挙がいよいよ6日後に投開票を迎える。政党選挙である限り投票行動は各党がめざす理念や政策の選択が第一義といえる。ただ今回の総選挙ではもうひとつの選択肢が浮上しているように思える。今回の総選挙に大きなインパクトを与えている4人の党首の政治手法の違いが際立っている。そのことが選挙結果の予測にも反映されているのではないか。
 各種の選挙結果の予測は自民党の優勢、希望の党の失速、立憲民主党の予想外の勢いということで共通している。自民党の優勢予測にもかかわらず内閣支持率は尚不支持が支持を上回っている。党首である安倍首相への不信感の大きさを物語っている。希望の党の失速の最大の理由は明らかに小池代表の「排除・選別」発言に代表される傲慢さへの反発だろう。希望の党に合流した旧民進党所属の議員たちも苦戦が伝えられている。このグループを実質的に率いるのが前原民進党代表である。一方で枝野代表が率いる立憲民主党は総選挙公示の一週間前の結党にもかかわらず議席倍増以上の躍進が予測されている。
 この4人の党首たちの明暗を分けているものは何か。安倍、小池、前原の各氏に見事に共通しているものは強権的とも思えるトップダウンの政治手法である。前原氏の民進党の希望の党合流の決定経過も驚くべきトップダウンである。これに対して枝野氏は草の根民主主義を標榜しボトムアップ型の政治を訴える。理念や政策の選択もさることながら多くの国民が政治手法の在り方にも目を向け始めたのではないか。内閣支持率の低さは4年に渡る安倍首相のトップダウン型手法への批判もその要因のひとつと思える。
 地域活動に関わって10年目を迎える。昨年からは地区社協の代表者に就任し、地域のボランティアの皆さんとのコンセンサスをいかにして求めるかという点に腐心している。ボランティアの場では何よりも結論に至る過程が問われる。各自がそれぞれの場面でどのように関わったかが活動のモチベーションを支える。今回の総選挙の「政治手法」というもうひとつの選択肢を想定しながら「草の根民主主義」という言葉をあらためて噛み締めた。

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