認知症カフェとは何か2018年01月13日

 山口地区での認知症カフェ立上げに向けて様々な方と話を交わす機会が多い。そうした場を通じて自分自身の認知症カフェについての理解と整理を迫られた。以下に整理してみた。
 認知症カフェとは「認知症に関わる関係者の地域のつどい場」ではないか。認知症という共通のキーワードで当事者、介護者、専門職、地域住民が行政の場でなく地域でつどい合う場である。
 徐々に地域とのつながりが希薄になりがちな当事者本人にとっては安心して地域とのつながりを維持できる居場所であり、時にカフェ運営のスタッフとしての役割を担える場である。このつながりこそが認知症の進行を抑止できる貴重な場の提供となるのではないか。
 何かと気苦労とストレスの多い認知症介護者家族には閉鎖された家庭内の空間から解放され共通の悩みや苦労を抱えた介護者仲間との交流の場を提供する。介護にまつわる経験交流だけでなくストレスや愚痴を語り合う事それ自体が寛ぎや癒しのひと時になる筈だ。常駐する専門職に気軽に認知症ケアの相談も可能である。介護卒業後は運営スタッフとしてその経験を分かち合ってもらえれば何よりである。
 常駐するケアマネジャー、介護福祉士、社会福祉士、看護師、保健師等の専門職には今後対応が求められる機会の多い認知症当事者との生きた交流と相談の機会である。それぞれの資格に応じた認知症ケアについての短時間スピーチをお願いできれば、参加者にとって有益であるばかりか専門職にとっても認知症と専門資格との関わりを学び直すことでスキルアップの場になるのではないか。
 運営に関わるボランティアの地域住民には、認知症ケアについての何らかの意欲や志を持った参加が期待される。介護経験や介護資格を生かしたい、将来の認知症介護に備えたい、軽度の認知症状を運営スタッフとしての役割で抑制させたい、自分自身の将来の認知症に備えて経験や知識を得たい等々。既存の団体・組織からの派遣でない自らの意思による参加が前向きなカフェ運営を支えるモチベーションとなる。