地区社協の役員改選期を迎えた2018年02月02日

 4月22日に地区社協の第23回総会を迎える。任期2年の役員改選期でもある。1月24日に三役をメンバーとする役員選考委員会を開催した。関係団体からの派遣役員を除く約30名の専任役員の去就に関わる情報を共有した。合わせて新規に役員就任を要請したい方をノミネートした。
 前回の改選期に地区社協の会長に就任した。その際には新任会長ということもあり、執行部体制は殆ど前任者に踏襲して頂いた。設立22年を経て役員の高齢化、固定化の傾向は否定できない。それでも超高齢社会を迎えてベテラン役員の経験は貴重である。ベテランの経験と知恵に新たなメンバーの柔軟な発想とエネルギーが加わって過渡期を迎えた地区社協の円滑な運営と地域包括ケアという難解な課題に向き合える。
 退任意向の役員の慰留や新任役員の就任要請の多くは会長が担当する。会長として初めて臨む役員改選である。担当する多くの方との個別の懇談を重ねている。

見守りサービスを巡る二件の対応2018年02月03日

 民生委員の担当地区のお二人の高齢独居のご婦人の見守りサービスを巡って相次いで対応した。
 おひとりは市の高齢者福祉の冊子に掲載された緊急通報救助システム導入の問合せだった。導入に当たっての必要事項を説明する過程でご近所の福祉協力員2名の選任が必要という点で最終的に断念された。懇意なご近所さんにお願いできると思うが緊急時に駆けつけてもらうということまでお願いするのはためらわれるというのが断念の理由である。
 もうひとりの方は、ある介護施設が実施している24時間見守りサービスの導入申込の対応だった。かねてから申込みを希望されていたが山口地区で定員10名の限度がありキャンセル待ちの状況だった。契約者の施設入居による解約が1件あり、施設からその連絡があった。すぐに当事者に連絡し、施設担当者と一緒に訪問し、申し込み手続きに立ち会った。
 かねてから市の緊急通報救助システムは福祉協力員2名の選任というハードルの高さを懸念していた。逆にそうした制約がなく専門スタッフが臨機応変に対応してもらえる24時間見守りサービスのニーズに適ったシステムを高く評価していた。今回の見守りサービスを巡る二件の対応は、はからずもそのことを見事に裏付けることになった。

金子みすゞ「みんなちがって、みんないい」2018年02月05日

 市の広報紙の記事の中に気になる言葉を見つけた。多文化共生社会についてのある大学の先生の寄稿文の標題だった。『みんなちがって、みんないい』。私の今の心情に訴える言葉だった。ネット検索で以下のことを知った。
 詩人・金子みすゞの「わたしと小鳥とすずと」という次の詩の一節である。『わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。 わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのように  たくさんのうたは知らないよ。すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。』
  高齢者の五人に一人が認知症という時代がやってくる。認知症が特別な事でなく日常生活の一コマとなる日が遠くない。認知症発症者をあるがままに受け入れる地域づくりが求めらる。同じように高齢者も障がい者も介護者も子育て世代もあるがままに地域で生涯を暮らせる町づくりが必要だ。違いを違いとして認めながらあるがままに受け入れ共に暮らせる町、多様性を認め合い包み込む町である。その根底にあるのが「みんなちがって、みんないい」ということではないか。

北部地区懇談会(知的障がい者支援の場)2018年02月06日

 昨年に引き続いて今年も知的障がい者支援の場である北部地区懇談会に参加した。主催者の市社協の他、障がい者家族会、地区社協、施設スタッフなど20数名が塩瀬公民館に集まった。
 最初に知的障がい者の疑似体験が行われた。知的障がい者の抱える問題を体験し一定の条件悪もとでは健常者にも同じような結果がもたらされるという体験だった。
 続いて「たけし君がラーメンを好きになったわけ」という紙芝居をみた。街のレストランで車椅子で入店したたけし君母子が店員やお客さんから心ない対応を受ける。そんな時、俄雨で飛び込んだラーメン屋さんのオヤジさんから心の籠った対応を受ける。入店時には車椅子で段差を超えるサポートを受けた。長いラーメンを噛んで食べられないたけし君のために短く切ったラーメンと細かく刻んだ具材ととろみをつけた出汁でラーメンを提供された。来店客もごく普通にたけし君母子を受入れる。初めてラーメンを食べたたけし君は美味しさと居心地の良さを感じながらラーメンが大好きになった。
 最後に1時間ばかり8名のメンバーでグループトークを行った。紙芝居の感想から始まって懇談は多岐に渡り、あっという間に1時間が過ぎた。障がい者の子どもが町に出かけることの困難さや心ない対応が語られる。それでも出かけることで様々な発見があり乗り越える方策を見出す。幼児の頃の米国生活でのヘルプという発信の大切さを学んだとの報告。発信のないと者への支援はない。最低限の自己主張が欠かせない。障がい者を忌避する医院もある。緊急時に忌避された時、救急隊員からどんな人でも受け入れる医院を紹介されたという話題も。具体的なその医院名を家族たちは書き留める。医院ばかりではない。一般のお店などの情報も伝えあう。
 そうした情報は新鮮で貴重なものだった。認知症発症者が高齢者の5人にひとりの時代に向けてその対応のための先駆的な課題でもある。地区社協の共生の町づくりに向けて貴重な情報が得られた懇談会だった。

ご縁2018年02月07日

 知的障がい者の支援の場である北部地区懇談会に参加した時のことだ。三グループに分かれた座席のお隣は面識のある方だった。旧山口地区在住の障がい者家族の方で、以前家族会との懇談でご一緒したご婦人だ。地区懇談会でも積極的に前向きな発言をされていた。障がいのある子どもたちも成人されそれぞれに社会人としての自立の道への歩みを始められたようだ。
 懇談会が終わった時、思い切って声をかけた。「○○さん!それでは現在は少しゆとりができましたか?もしそうであれば山口地区全体の取組みのお手伝いをお願いしたいんですが」と、認知症カフェのボランティアのお願いをしてみた。カフェのボランティアスタッフは山口の各地区から構成されていることが望ましい。旧山口地区からの人選は思うように進んでいない。旧山口地区在住のボランティア確保は喫緊の課題だった。
 返されたお返事は予想以上に前向きで、あっさり承諾して頂いた。つくづく「ご縁」という言葉を噛み締めた。家族会でのご縁、今日の地区懇談会の参加、認知症カフェの旧山口地区のお手伝いさがしという課題、それらが全て噛み合って新たなご縁が生まれた。

ボランティア交流会と手話講座成果のお披露目2018年02月08日

 地区社協のボランティアセンター主催のボランティア交流会が開催された。会場は、オヤジ会全体会でお馴染のパスタ&カフェ・オンズのシェアルームである。寒い中を11時半から13時半の交流会に35名のボランティアの皆さんに参加して頂いた。
 現在ボランティアセンターにはボランティア77名、よりそいサポートサポーター22名の計99名が登録されている。超高齢社会を迎えて多様化する困り事支援のニーズに対応する力強いメンバーたちである。いわば地域力の裏付けでもある。そんな気持ちを開会挨拶にこめた。
 参加者の自己紹介の後、交流会に向けて実施したアンケート結果とその回答が報告された。「連絡があったが都合がつかず参加できなかった」「事前に登録していた希望の活動の連絡がなかった」「施設ボランティアに参加してもよい」等々。まだまだニードと活動提供のミスマッチがある。意見交換では「そうしたミスマッチを埋めるためにもスマホのライン活用によるコーデネート」が提案された。検討に値する提案である。
 会食になった。メインのパスタをはじめデザート、ドリンクが何種類かの中から好みを各自で選択する。時間をかけて順次配膳される会食の合間に隣席どうしでの会話が弾む。
 1時過ぎから地区社協が支援している手話講座グループの手話実技が披露された。8人のメンバーの内5人が順次手話による自己紹介が披露される。最後の二人は会話形式のやりとりである。それぞれの披露の後にはリーダーから教えられた会場の手話による拍手がある。両手をあげて掌をくるくると廻す仕草である。
 懇談と会食と手話実技というバラエティ豊かな2時間の交流会を終えた。

障がいと向き合った母と子の物語2018年02月09日

 西宮市地域自立支援協議会ほくぶ会主催のオープン部会に参加した。北部地区の障がい者支援の事業者、家族会、市社協、行政関係者等で構成される会議である。今回のテーマは就学・進学・就職等のライフステージについて考えるパネルディスカッション形式のセミナーだった。
 今回初めて参加したのは、知人でもある障がい者の母子の報告が予定されていたことが大きな動機だった。お母さんは福祉ネットのオブザーバーであり、母子で参加されていたつどい場”あん”でもお母さんの見識のあるお話に共感していた。
 4人の登壇者の2番目に登壇されたそのお母さんの報告は期待にたがわない感動的で示唆に富んだものだった。
 息子さんの2歳の時の知的障がいの気づきに始まり高等特別支援学校3年の18歳の今日に至る節目節目の葛藤はドラマそのものである。障がいを初めて気づかされた時の素早い果敢な対応、幼児期の米国生活でのやってみることを促されるナイストライの風土、息子さんの交通機関に乗車することの説教性という長所、特別学校でなく普通学校の特別支援学級選択の葛藤、就職活動での選択の逡巡と最後は息子さん自身が決めるという決断等々。18年に及ぶ母と子の自立に向けた葛藤と挑戦の物語だった。
 司会者の「将来の夢は何ですか」という問いに息子さんが答えた。「母が亡くなった後も自立できることです」。大きな歯切れの良い声で答えたその言葉に母とともに歩んだ18年の想いが籠められていた。

予定外の花ちゃん来訪2018年02月10日

 花ちゃんの母ちゃんが三連休を利用して大阪で簡単な目の手術をすることになった。金曜朝早く、じいちゃんばあちゃんは花ちゃん宅に向かった。花ちゃんは保育園をお休みして我が家で三拍四日のお泊りデイである。母ちゃんと父ちゃんはその夜に我が家に合流した。
 我が家にやってきた花ちゃんがすぐに遊び始めたのはかつて母ちゃんが子供の頃に遊んだリカちゃん人形だった。ばあちゃんが押入れに30年ばかり眠っていたのを引っ張り出して丁寧にブラッシュアップして復活させた。
 お昼過ぎにはお向かいのお孫さんたちが我が家にやってきた。五ヶ月年長のお兄ちゃんは以前に花ちゃんと何度か遊んだお友だちだ。6カ月の妹ちゃんは赤ちゃんの時にあったことを花ちゃんも覚えている。お兄ちゃんとリカちゃん人形で一緒に遊んだり、むずかっている妹ちゃんをなぜなぜしたりしている。お向かいのお孫さん一家は次の日の午前中には関東に帰宅する。花ちゃんのお友だちとの束の間の再会だった。

♪グーチョキパーで何つくろう♪2018年02月11日

 我が家にやってきた花ちゃんの二日目の夜のこと。じいちゃんばあちゃんと父ちゃん母ちゃんがリビングで寛いでいた。みんなに囲まれた花ちゃんが何を思ったのかお遊戯を始めた。
 ♪グーチョキパーで何つくろう!何つくろう! 右手はチョキで、左手はグーで、カタツムリちゃ~ん、カタツムリちゃ~ん♪ その身振り手振りを交えたお遊戯におもわず頬をゆるめて見入ってしまう。一曲終わるたびに「お母ちゃんみてな~」「じいちゃんみてよ~」とアピールする。首を左右に振ったりピョンピョン飛び跳ねたりするオーバーアクションは保育園での場数を窺わせる。
 2歳3か月になる孫である。初孫にして次は望めないたった一人の孫である。それだけに過剰な愛着と期待がかかる。目下のところ愛らしく時に乱暴にすくすくと育っている。保育園育ちのたくましさも垣間見える。物おじしない自信たっぷりなお遊戯を眺めながらそんな想いにとらわれた。

まんまんちゃんアンッ!2018年02月12日

 花ちゃん滞在三日目の朝である。8時前に母ちゃんに抱っこされた花ちゃんがようやく2階の寝室から起きてきた。
 今朝の花ちゃんの朝食はご近所さんからいただいたパンである。花ちゃんのために手づくりのジャムおじさんのパンを持ってきていただいた。丸い顔の生地にほっぺや鼻や口や帽子の生地がつけられて干しブドウの目がくっついている。なかなかの出来栄えである。帽子から始まりほっぺや口や鼻を上手にちぎって食べている。デッカイパンを持て余しようやくじいちゃんにもおすそ分け。
 夕方5時半頃に炊飯器のご飯が炊けた。ばあちゃんが「花ちゃん!まんまんちゃんする?」と声を掛ける。タブレットでメルちゃんをみていた花ちゃんが素直にばあちゃんからお仏飯を渡されて仏壇前のじいちゃんに持ってきてくれる。自分用の数珠を手にしてじいちゃんと並んで花ちゃんのお勤めが始まった。じいちゃんがおりんを2回鳴らすと同じように続ける。じいちゃんのお経に合わせてグニャグニャと意味不明の言葉を繰り返す。お経を終えたじいちゃんの”なまんだぶなまんだぶ”の念仏には”なまんぶなまんぶ”と口ずさむ。
 すっかり定着した花ちゃんの「まんまんちゃんアン」にじいちゃんはご機嫌だ。