障がいと向き合った母と子の物語2018年02月09日

 西宮市地域自立支援協議会ほくぶ会主催のオープン部会に参加した。北部地区の障がい者支援の事業者、家族会、市社協、行政関係者等で構成される会議である。今回のテーマは就学・進学・就職等のライフステージについて考えるパネルディスカッション形式のセミナーだった。
 今回初めて参加したのは、知人でもある障がい者の母子の報告が予定されていたことが大きな動機だった。お母さんは福祉ネットのオブザーバーであり、母子で参加されていたつどい場”あん”でもお母さんの見識のあるお話に共感していた。
 4人の登壇者の2番目に登壇されたそのお母さんの報告は期待にたがわない感動的で示唆に富んだものだった。
 息子さんの2歳の時の知的障がいの気づきに始まり高等特別支援学校3年の18歳の今日に至る節目節目の葛藤はドラマそのものである。障がいを初めて気づかされた時の素早い果敢な対応、幼児期の米国生活でのやってみることを促されるナイストライの風土、息子さんの交通機関に乗車することの説教性という長所、特別学校でなく普通学校の特別支援学級選択の葛藤、就職活動での選択の逡巡と最後は息子さん自身が決めるという決断等々。18年に及ぶ母と子の自立に向けた葛藤と挑戦の物語だった。
 司会者の「将来の夢は何ですか」という問いに息子さんが答えた。「母が亡くなった後も自立できることです」。大きな歯切れの良い声で答えたその言葉に母とともに歩んだ18年の想いが籠められていた。

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