敬老お祝い訪問事業の「個人情報の壁」2018年07月29日

 地区社協は「敬老のつどい」に代えて「敬老お祝い訪問事業」を実施することにした。ところがこの「訪問よりそい型事業」の実施には越えなければならない壁がある。
 訪問先の特定が難しい。後期高齢者である75歳以上の皆さんを訪問対象者と考えているが、誰がどこにお住いかという個人情報を地区社協は把握できない。個人情報保護の観点から市の担当部署からの情報提供は期待できない。そこで事前に全戸配布によるアンケート調査で「敬老お祝い訪問」希望の意向をお尋ねして情報提供をお願いすることにした。
 この全戸配布にも問題がある。対象者がどこまで意向を記した調査表を社協BOXに投函してもらえるかという点である。単なる全戸配布では回収率はたいして期待できず未回収のフォローが欠かせない。この点については丁目毎に地区社協関係者が情報を出し合い、分担して後期高齢者の在宅が推定される未回収者宅を訪ねて個別にアンケート協力をお願いすることを想定している。ボランティアの原点ともいえる草の根活動で今後の地区社協活動の基礎的情報をストックする試みである。
 超高齢社会を迎えて地区社協の活動は「集客イベント事業」から「訪問よりそい事業」にウェイトを移さざるをえない。その際に個別に訪問する際の対象者の特定という個人情報保護の壁が立ちはだかる。どこかでこの壁を越えなければ訪問よりそい事業はいつまでも取り組めないことになる。今回の「敬老お祝い訪問」活動を通して初めてその壁に挑戦することになる。