やってみて初めてみえる風景2018年09月14日

 地区社協が21年にわたって開催してきた「敬老のつどい」を今年中止し、これに代えて「敬老お祝い訪問事業」に着手した。執行委員会でも「敬老のつどい」の見直しはこれまで何回か検討していたが、長年続いた事業の見直しにはなかなか踏み切れないでいた。今回、担当の高齢者福祉部メンバーが一新されたこともあり、部会提案を受けて一気に見直しに踏み切った。新たな取組みをやってみて初めてみえる風景があることを思い知らされた。
 ひとつは新たな事業の趣旨やコンセプトの本質的な検討が必要という点である。超高齢社会を迎えて地域で見守りが必要な高齢者は増え続けている。加えて今後増え続ける認知症発症者の地域での見守りも欠かせない。民生委員だけの見守りに限界があることは明らかだ。敬老お祝い訪問の地区社協による見守り活動の着手という本質が見えてきた。
 今ひとつは地区社協の民生委員との連携の在り方が問われた点である。訪問対象の75歳以上の方の特定では民生委員が保有する高齢者実態把握調査の調査票が有力な情報となる。この情報は地区社協活動に活用可能か否かが問われた。地区社協と民生委員の連携の在り方は高齢者の見守りという観点からあらためて問われている。
 更に地区社協の見守り活動の態勢も問われることになる。見守り活動は近隣の対象者の見守りが基本である。その意味で丁目別の担当者の適正な配置が求められるが、現実には社協役員の住まいは偏在している。
 他方で今回の取組みで得られた500人近い方の個人情報の管理体制も課題となる。情報管理に関わる管理規定の制定を始め保存する情報の保存者の特定や保存方法等を固める必要がある。
 やってみて初めて見えてきた課題を着実に達成していきたい。