福祉フォーラム「ここが知りたい認知症」2018年12月18日

 第4回福祉フォーラムは118人もの受講者で大盛況だった。事前の案内チラシには「ここが知りたい認知症」というタイトルを大きく訴え、~予防と治療の最前線と地域支援~のサブタイトルで事前に講師とも調整した講演内容を伝えた。
 講師のものわすれクリニック院長の松本一生氏は、認知症専門医として診療する傍ら、自らも認知症の義母とパーキンソン病の妻の介護を経験した介護者として積極的に認知症理解のための講演、番組出演、執筆活動をされている。
 90分の講演では、そうした知識と経験がいかんなく発揮され、受講者に多くの共感をもたらした。以下、印象的だった内容を記しておきたい。
 認知症を当事者から告げられた時「あなたなら大丈夫!」とは言わない。それは受止めてもらいたいという当事者の想いを拒むことになりかねない。一緒に考えましょうと共感し寄り添う姿勢が大切。
 認知症は「なったらおしまい」ではなく、「なってからが勝負」
 妻を介護するご主人たちが大変!「ちょい呑みオヤジ会」ならぬ「妻を介護するオヤジ会」が必要では。
 種類ごとに異なる認知症の症状の理解が大切。アルツハイマーはこれまでと異なる人柄に。血管性認知症は易怒性やまだら症状。レビー小体型認知症はパーキンソン症状と幻視。前頭側頭型認知症は非社会性や無頓着。
 糖尿病、脂質異常、血圧乱高下の生活習慣病対策が認知症予防に。食生活は粗食を心がける。ひきこもりの脱出と人との対話。生きがいと使命感。
 介護家族の善意の加害者のケアこそが大切。地域の悪意が介護家族の不幸をもたらす。介護を終えた遺族の65%が自分の至らなさを後悔している。介護家族への声掛けや励まし等の地域の支えを。
 介護生活が長くなるほど誤嚥性肺炎の発症率が高くなる(15年で89%)。終末期医療の口腔ケアの大切さ。
 
 92枚もの受講者アンケートを回収した。85名(92%)の方が講演内容の評価に「良かった」を選択されていた。

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