市社協評議員会での問題提起2019年02月01日

 市社協の評議員会に出席した。議事は実質的に二つだけだった。資金収支の補正予算の議案と指定管理制度の育成センター等の指定候補者選定結果の報告である。質疑がないまま予定時間を大幅に短縮して議事を終えそうな進行だった。
 いい機会だと思い予ねてから気になっていた市社協受託事業である育成センターの在り方について以下の点について質問した。
①学童保育という公共性の強い事業が指定管理者制度という形で民営化が進められていることに保育の質等の疑問や懸念がある。
②多数を占める共働きの子育て世帯にとって子どもの放課後の居場所問題は最大の困り事。育成センターはその大きな受け皿だが、3年生までの保育が基本の市の施策は遅れている。最大の受託事業者である市社協の市の施策に対する対応は。
③市社協の育成センター事業への地区社協の関わり方が疑問。各センターの運営委員会に役員派遣をしているだけで多くはフィードバックもなく問題意識は希薄。市社協の地区社協に対する要請等もない。子育て支援に大きな役割を持つ育成センター事業に地区社協の積極的な関わる枠組みが必要ではないか。
 常務理事から誠実でまっとうな答弁があった。
 
 市社協の資金収支をみると育成センター事業は最大の受託金収入であり全体の事業規模の約40%を占める。それだけにこの事業の舵取りは市社協全体に大きな影響を及ぼすと思われる。市社協以外の私企業等の受託事業者が漸増する中で、社会福祉法人であり地区社協という地域住民に根を張った基盤を持つ市社協だからこそ可能な育成センター事業の特性を模索してほしい。

この時期の絶好のおやつ2019年02月03日

 3時過ぎにキッチンのタッパーからあるものを取り出してオーブントースターに入れた。自家製のゆかり入りのオカキである。
 先日、家内が豆餅のオカキとこのゆかり入りのオカキを餅つき機で作ってくれた。子どもの頃には母親が同じようなオカキを作ってくれたものだ。2、3日タッパーで寝かせた長方形のお餅を取り出して細かく短冊状に切る。新聞紙に並べて1週間ばかり乾燥させて出来上がり。
 アツアツのオカキをアルミホイールと一緒にトースターから取り出した。きつね色に染まったオカキのこおばしい香りが漂う。口に入れて歯ごたえにある塩味をバリバリ噛み締める。どんな市販のオカキもこの味と食感には叶わない。
 子どもの頃の郷愁に誘われながら家内の心づくしに感謝した。

自家製恵方巻を!2019年02月04日

 節分である。花ちゃん宅では両親と豆まきをするようだ。共働きの母ちゃんも休日の節分で頑張って恵方巻を作るという。季節のアクセントを家族で楽しむことはいいことだ。
 老夫婦二人の我が家では豆まきをするわけにもいかない。それでも巻き寿司はあった方が良い。当日の新聞チラシにはスーパーの恵方巻特集がやたらと目につく。これでもかとばかり購入を誘っている。そもそも恵方巻は伝統的な風習というより、業界の販促イベントという性格が強い。その結果今や食品ロスや従業員への押し売り等の弊害が目につく。とは言えスーパーで購入するか自家製巻寿司にするかは主婦の胸先三寸に委ねられている。
 我が家の恵方巻もどちらにするか迷っていたようだが、結局自家製巻寿司に決めたようだ。最寄りのスーパに出かけて具材を調達し、4本の巻寿司ができあがった。出来立ての好みの具材の巻寿司を二人で味わった。
 翌日の朝食と昼食もこれが続くことになる。好きなメニューなのだからこれも良しとしよう。

菜園と野鳥2019年02月05日

 朝8時頃、リビングのデスクに向っていた時だ。突然、野鳥のかしましい鳴き声が耳を襲った。その激しさに思わずガラス戸越しに庭先を眺めた。三羽の黒っぽい野鳥が庭木の周りを乱舞していた。30cmばかりの大型の野鳥だった。乏しい知識のストックからカケスという名前が浮かんだ。
 しばらく眺めた後、彼らの来訪の意図が分かった。庭の一角に煉瓦で仕切った菜園がある。家内が季節の野菜をせっせと植えている。今はねぎとブロッコリーが育っている。カケスたちはその内のブロッコリーの葉っぱを無心についばんでいた。野生の掟を忘れたかのように人家の庭にまでやってきて。
 その光景に心和ませるものがった。自然豊かなこの町ならではの野鳥たちの生息なのだろう。その恵が我が家の庭先にまで及んでいる。もっとはっきりカメラに納めようとガラス戸をそっとスライドさせた。途端に野生に目覚めたカケスたちはいっせいに羽ばたいて姿を消した。

藤沢周平著「神隠し」2019年02月06日

 藤沢周平著「神隠し」を再読した。市井もの9編、武家もの2編が納められた短編集である。
 300頁足らずの文庫本に11編もの作品が納められているのだから一作品平均25頁程度の短編ばかりである。「三年目」に至ってはわずか6頁の短さである。これでよく物語が紡げるものだと思うが、ちゃんとテーマが備わった情緒豊かな作品に仕上がっている。
 市井もの中心で武家ものが少ない短編集である。この点について解説氏は興味深い作者のことばを記している。「私はなんとなく市井ものの方が書きやすいような気がしている。武家社会というものは消滅したが、市井の暮しというものは現在に続いて、しかもいまの世相とかさなりあう部分があるだろう、という意識が、幾分筆を軽くするようである」。
 なるほどと合点した。今は存在しない武家社会を舞台に描くには様々な制約を念頭に特別な舞台設定が求められるのだろう。その分創造の世界は羽ばたきを縛られるに違いない。
 この短編集には市井ものを中心に直木賞を受賞した後の作者の見事な羽ばたきに満ちている。

リビングウィルが動き出した2019年02月07日

 長尾和宏医師のブログを毎日読んでいる。先月、「リビングウイル(LW)裁判に勝訴判決」の記事があった。『国はこれまで「患者がリビングウイルを書くと医師の訴訟リスクが高まる』と主張していたが、その是非を問う行政訴訟で東京高裁は『国の判断を取り消す』という判決が言い渡された」とのことだ。「LWの普及啓発活動に公益性を認めない、
という政府の見解を、司法は否定した」判決である。
 リビングウイル(生前意思)は「尊厳死」と深く関わっている。尊厳死を望む人が自分の意思を元気なうちに記しておくことがリビングウイルだ。日本は世界的にも「尊厳死」を認めない数少ない国である。そのことがリビングウイルに否定的に対応する姿勢に繋がっている。その流れがようやく変わりそうである。
 最近、「私のリビングウイル」というパンフレットを入手した。日本臨床内科医会という開業医(かかりつけ医)を中心に構成されている組織である。パンフレットには「判断能力の回復が見込めない状態になった場合にどのような治療を望むか」を記す書式が3頁分付いている。治療のレベルに応じて選択肢がある。「生命維持のため最大限の治療を希望」「継続的な栄養補給を希望」「点滴等の水分補給は希望」「水分補給も行わず、最後を迎えたい」「その他」の選択肢である。本人、家族、医療者それぞれの署名欄と日付欄が用意されている。リビングウイルが一般市民にも身近になってきたと実感した。
 いよいよリビングウイルが動き出した。

医療・介護とナラテイブ2019年02月08日

 昨日に続いての長尾和宏医師のブログ記事の紹介である。数日前の氏のブログに「ナラテイブを多職種で共有できらた最高!だよね」という記事があった。
 記事は102歳の高齢者の老衰による看取りを終えての感想から始まっている。「人生の最期にまで寄り添うことができることが町医者の醍醐味だとあらためて感じた。患者さんや家族と深い信頼関係を築くコツは一にも二にも生活や人生観を知ることだ。その人の『ものがたり』にじっくり耳を傾けることが大切。患者さんの想いに共感できることが『かかりつけ医』の条件であろう。お看取りはその延長線上にある結果にすぎず、目的ではない。(略)病気の枝葉末節にとらわれることなく、生活や予後をも俯瞰した判断が迫られる。そこで活躍するのがナラテイブである」。その上で、秋田県医師会が開発した在宅医療・介護連携ICTツールである「ナラテイブブック秋田(自分手帳)」が紹介されている。
 ナラティブとは、「物語、語りという意味だ。医療におけるナラテイブは、『物語りと対話に基づく医療』という意味で、患者が語る経験や患者と医療者の対話を通して、患者の病いの経験や治療の意味に着目し、より個別性の高い医療を提供すること」(HPナース専科参照)とある。
 ナラテイブは、とりわけ終末期医療においては欠かせない。延命治療を忌避し、在宅での尊厳死を願う根拠でもある。終末期を自分らしく終えたい願うのは自分自身の物語を全うしたいからに他ならない。

出張帰りの息子の帰省2019年02月09日

 息子が出張帰りに帰省して一泊した。この正月明けに岡山から東京に転勤したばかりである。大手製薬会社の営業担当で、典型的な転勤族である。これまで10回ばかり転勤転居している。今回の東京本社には新たなプロジェクトの責任者として赴任した。
 転勤後一カ月を経て新たな役職のようすを訊いた。ある特殊な治療薬を新たに全国エリアで一本化して販売するためのルート開発がミッションのようだ。新たな事業モデルの構築といった意味合いもありそうだ。今回の出張も週明けから小倉、山形、岡山と巡回しての帰りだという。新規事業の全国各地の販売網の整備のため営業所マネジャー時代のキャリアと社内人脈を活かした関係部署との調整が目下の任務のようだ。月の半分以上は出張に明け暮れているとのこと。10人程のチームのマネジメントも担っている。
 40代半ばの働き盛りである。激務をこなしながら何とか自分自身のビジネスライフを全うしているようだ。一泊した翌朝慌ただしく帰宅した。

安心キットの好意的な反応2019年02月10日

 ある会合で安心キットの使い勝手が話題になった。実際に活用した際の好意的な感想を聞いて合点したことがある。
 安心キットは我が町では地区社協が中心になって老人会や民生委員が共同で5年前に導入した。個人的にも事務局として導入実務を担った。結果的に高齢者の42%の653人の方の申込みがあった。プラスチックの筒状の容器にかかりつけ病院、服用薬、緊急連絡先などを記した用紙を入れておき、救急車での緊急搬送時に迅速に救急隊員に情報を伝えるツールである。
 導入当時は、救急隊員が駆け付けても本人や家族が適格・迅速に必要な情報を得られないため事前に用意しておくという認識が強かった。どちらかというと救急隊員向けのツールという受止め方だった。
 ところが先日の会合での話ではむしろ本人や家族にとって大いに役立ったということだった。駆けつけた救急隊員は必ずしも安心キットの有無や所在を確認するわけではない。まずは本人や家族にかかりつけ病院等の必要な情報を訊ねる場合が多いという。その際聞かれた側は本人はもとより、家族も、混乱していたり、入院準備に追われていてキチンと答えられる状態でない。そこで安心キットが役に立つ。キットの中の緊急情報用紙を渡すことで迅速に伝達できる。
 様々な仕組みは、実際に運用したり使ってみることで初めてその効用が理解できることが多い。

花ちゃん!発表会で頑張った2019年02月11日

 三連休で花ちゃんがやってきた。お正月帰省以来の一カ月ぶりの再会だ。父ちゃんがタブレットに入った花ちゃんの動画を持参してくれた。一週間前にあった花ちゃんの保育園の生活発表会の動画である。
 昨年12月から花ちゃんは一歳の時から2年も通っていた保育園を転園した。集合住宅から戸建住宅に引っ越したためだ。新しい保育園にちゃんと馴染んでくれるだろうかと両親や祖父母たちは気を揉んだ。転園2カ月後の発表会は花ちゃんの保育園でのi様子を窺える絶好の場だった。
 テレビにつないだ動画が始まった。幕が開いて舞台には3歳児の園児たち13人が勢揃い。赤い服のおじいさんと黄色い服のおじいさんと水色のねずみさんのグループに分かれている。ねずみさんグループの花ちゃんは舞台中央に陣取っている。お話が進んでねずみさんが穴に落っこちたおじいさんにお土産を渡す場面になる。すると花ちゃんがトコトコと舞台を歩いて宝物の大小2段の箱を持ってきた。そこでみんなが一斉にセリフを口にする。「おもやげをどうぞ。どっちがいいですか。小さい方がいいな」。ここ数日のFaceTimeで何度も花ちゃんから聞かされていたセリフだ。なんと花ちゃんは6人のねずみさんグループのリーダー役だった。
 中途入園後2カ月の花ちゃんは同じ3歳児でも新参者だろう。いじけているかと懸念したが杞憂だった。先生は日頃の振舞いを見ながら役を割り振っている筈だ。与えられた役回りをおくすることなくこなしていた花ちゃんを見直した。家では我がままいっぱいの花ちゃんは保育園でも物おじしないで過ごしているようだ。元気いっぱいにスクスク育っているようすを5分余りの動画が教えてくれた。