リビングウィルが動き出した2019年02月07日

 長尾和宏医師のブログを毎日読んでいる。先月、「リビングウイル(LW)裁判に勝訴判決」の記事があった。『国はこれまで「患者がリビングウイルを書くと医師の訴訟リスクが高まる』と主張していたが、その是非を問う行政訴訟で東京高裁は『国の判断を取り消す』という判決が言い渡された」とのことだ。「LWの普及啓発活動に公益性を認めない、
という政府の見解を、司法は否定した」判決である。
 リビングウイル(生前意思)は「尊厳死」と深く関わっている。尊厳死を望む人が自分の意思を元気なうちに記しておくことがリビングウイルだ。日本は世界的にも「尊厳死」を認めない数少ない国である。そのことがリビングウイルに否定的に対応する姿勢に繋がっている。その流れがようやく変わりそうである。
 最近、「私のリビングウイル」というパンフレットを入手した。日本臨床内科医会という開業医(かかりつけ医)を中心に構成されている組織である。パンフレットには「判断能力の回復が見込めない状態になった場合にどのような治療を望むか」を記す書式が3頁分付いている。治療のレベルに応じて選択肢がある。「生命維持のため最大限の治療を希望」「継続的な栄養補給を希望」「点滴等の水分補給は希望」「水分補給も行わず、最後を迎えたい」「その他」の選択肢である。本人、家族、医療者それぞれの署名欄と日付欄が用意されている。リビングウイルが一般市民にも身近になってきたと実感した。
 いよいよリビングウイルが動き出した。

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