花ちゃんのつくし採り2019年03月29日

 週末に花ちゃん一家が久々に来訪することになった。金曜日の早朝に祖父母が花ちゃん宅を訪ねて一足早く花ちゃんを迎えに行った。
 10時半頃に帰宅した祖父母と孫娘の水入らずのひと時が始まった。昼前に三人でつくし採りに出かけた。住宅街の高台を取り巻く田んぼの畔道には季節になるとつくしが群生する。数年前まではひとりでしばしば出かけたスポットがある。
 そのスポットにやってきた。盛りの季節は過ぎていたようだ。やせ細って胞子が開いたつくしたちがまばらに佇んでいた。花ちゃんは初めてのつくし採りに大喜びだった。母ちゃんが幼い頃に使っていたという赤いバケツに摘んだつくしを次々に入れていく。20分ばかりつくし採りに興じた頃にはバケツの半分ぐらいがつくしで埋まった。収穫入りのバケツを手にした花ちゃんの得意げな顔を見ながら帰路についた。
 帰宅後には手間のかかるつくしの袴取りが待っていた。花ちゃんは10分ばかりはそのお手伝いをしてくれた。その後はちょっかいを出す花ちゃんの相手をしながら煩わしい作業をひとりで続けた。晩酌のアテにはつくしの油いためが味わえる。ひたすらその楽しみが慰めだった。果たして花ちゃんはつくしを美味しいと食べてくれるだろうか。