消えゆく古民家 ― 2019年04月12日
朝の散歩道である。いつものように山口の集落を貫く旧街道を歩いた。昔ながらの趣きのある風景の中に突然違和感のある光景が目に入った。石積みの風情のある塀越しに橙色のショベルカーのいかつい車体が鎮座している。
茅葺屋根をトタン屋根で覆った古民家の解体現場だった。ショベルの先端に屋根を覆っていた古びた茅の無数の穂が纏わっていた。むき出しの屋根の骨組みが辛うじて家屋の名残りを留めている。
この旧街道沿いの古民家が相次いで消えつつある。後継ぎがなく住む人のいなくなった家屋、昔風の建物構造が住み辛くなって今風に建替えられた家屋、老朽化した茅葺屋根を維持再生できなくなった家屋等。住人にとっては差し迫った様々な事情があるに違いない。それは風景を愛でるだけの通行人の想いを越えた事情である。
それでも消えゆく古民家に郷愁を寄せる心情は否定しがたい。
茅葺屋根をトタン屋根で覆った古民家の解体現場だった。ショベルの先端に屋根を覆っていた古びた茅の無数の穂が纏わっていた。むき出しの屋根の骨組みが辛うじて家屋の名残りを留めている。
この旧街道沿いの古民家が相次いで消えつつある。後継ぎがなく住む人のいなくなった家屋、昔風の建物構造が住み辛くなって今風に建替えられた家屋、老朽化した茅葺屋根を維持再生できなくなった家屋等。住人にとっては差し迫った様々な事情があるに違いない。それは風景を愛でるだけの通行人の想いを越えた事情である。
それでも消えゆく古民家に郷愁を寄せる心情は否定しがたい。
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