自治会の存続が危うい2019年04月28日

 住宅街の自治会三役との懇談の機会があった。今月中旬の総会で選出されて初めての三役会議だった。福祉ネットと自治会の関わり方や地区社協について説明した。最後にこの町の地域活動を永くやってきた立場から自治会の存続に関わる次のような問題意識を述べさせてもらった。
 自治会は今や全国的に存続の危機を迎えている。大きく分ければ二つの面での危機である。ひとつは自治会運営を担う役員のなり手の問題であり、今ひとつは自治会運営上の財政逼迫である。双方に共通する背景として少子高齢化と人口減少という点がある。
 自治会役員のなり手問題は、超高齢社会を迎えて自治会役員を担える住民層が年々限られてくる。加えて人口減少や高齢化による転出で自治会員の減少化がそれに拍車をかける。財政逼迫は自治会員減による収入減と自治会所有物件の老朽化対応による支出増という構造的な問題に起因する。
 自治会設立34年を経て地域社会は様変わりした。ファミリー中心の人口拡大社会は、今や超高齢化した人口減少社会に変貌した。にもかかわらず自治会の中心活動は、設立当初に期待された親睦交流を目的とした盆踊り、親睦バスツアー、文化祭等の集客イベント型行事が踏襲されている。毎年一斉改選される自治会役員はこうしたイベントの遂行に多くの精力を費やす。
 環境変化に合わせた自治会行事の抜本的な見直しが必要だ。イベント重視から見守り、居場所づくり等のインフラ整備が必要だ。回覧板や全戸配布もITやスマホ活用で絞り込みができないか。
 前例主義の呪縛から脱して今本当に必要な活動は何かを問い直すことが自治会存続に向けての第一歩ではあるまいか。

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