帰省中だった花ちゃんが帰宅した。５泊６日の長期滞在だった。そのことが花ちゃんに思わぬ波紋を投げかけたのではないかと思える出来事があった。
　最終日のランチをするため和食料理の店に向っていた時だ。車の中でチャイルドシートの花ちゃんが呟いた。「花ちゃん、保育園に行きたくない～」。車中の大人４人はうろたえた。「どうして行きたくないの？」「だってお母さんと一緒の方がいいもん」「お母さんはお仕事に行くでしょう」「だったらお仕事に行かないで！」といったやりとりが続いた。
　保育園になじんでくれているかどうかは、保育園通い父兄の大きな心配事のひとつである。懸念していたことを花ちゃんが口にしたのだ。盆正月の帰省以外の思わぬ長期の保育園休みだった。じいちゃんばあちゃんも加わって遊びを満喫した６日間だった。そのことが花ちゃんの里心を刺激したのだろうか。その場は話題をそらしておさまった。
　花ちゃんが帰宅し保育園に通園した翌日、家内が娘に花ちゃんの通園のようすをメールで訊ねた。「お菓子をあげたらおとなしく行ってくれた」とのこと。まだ幼児の無邪気さが問題の深刻さを救ってくれているようだ。ヤレヤレ。