早朝、車道を歩くおばちゃん2019年08月26日

 早朝6時前、いつものウォーキングコースを終えてモーニングコーヒーを目当てにコンビニに向っていた。新明治橋東の国道176号線沿いの歩道を歩いていた時だ。車が行きかう国道のセンターラインに沿ってとぼとぼ歩いているおばあちゃんを見つけた。車の途絶えた間合いに駆け寄り腕を抱えて歩道に連れてきた。
 おばあちゃん、どこに行くの?どこから来たの?お名前は?などを訊ねた。「○○です。カサイの家に帰るところなんです」と、しっかりした受け答えながら内容は明らかにズレている。認知症の懸念が大きいが手荷物は何もなく身許を確かめるすべもない。早朝であり「地域包括」への連絡もできない。110番しかないと判断しスマホから連絡した。応答窓口の若い男性の声に住所・氏名と民生委員の身分を告げて事情を話した。「親切に対応して頂きありがとうございます。スマホの位置情報で場所は分かりますのですぐに警察官を派遣します。しばらくその場でお待ちください」とのこと。丁寧でテキパキした応対ぶりが好印象だった。
 パトカーを待つ間、おばあちゃんとおしゃべりした。1カ月前に認知症声掛け訓練の講座を受講したばかりだ。「驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない」の対応ポイントを念頭に笑顔でお話した。間もなく90歳になる等と正常な話もできるが、毎日職場に出かけて仕事をしている等の日常生活の話はトンチンカンだ。「110番したのでもうすぐ警察官がやってきますから家に連れて行ってもらえるますよ」と話した時、反発されるかと思ったが「それはありがとうございます」との意外に素直な反応だった。以前にも同じような経験があるのかとふと思った。
 15分ほどしてすぐそばのビルの駐車場にパトカーが到着し、二人の警察官が降り立った。おばあちゃんを引き渡した後、ひとりからあらためて住所、氏名、連絡先、発見時の状況等を聞かれ、労いの言葉を掛けられて聴取が終わった。素直にパトカーに収容されたおばあちゃんを見送った。
 帰宅して8時頃にスマホに最寄りの交番から連絡が入り、経過が告げられた。おばあちゃんは私と同じ住宅街在住の方だった。名前と年齢を頼りに検索したところ以前の保護履歴に合致したのでご家族に連絡し送り届けたとのこと。良かった~。初めて認知症の方に遭遇し、声掛け、保護、しかるべき対応を無事に済ませた。それにしてもスマホ持参の散歩が円滑な対応を可能にしたことを実感した。個人的にも貴重な経験だった。

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