知人の労作「有馬郡鉄道史」2019年10月22日

 神戸市北区在住の国鉄有馬線研究者のN氏と何度かお会いして懇談した。私がご近所の故人から託された有馬線関係の貴重な資料を情報提供したご縁である。
 そのN氏からメールを頂いた。「有馬郡鉄道史~阪急電鉄の運命を変えた三田の鉄道~」という著作を三田市のコンクールで発表されたとのこと。その著作をPDFで送信して頂いた。
 著作はA4で38頁にも及ぶもので、私のHPデータも含めて豊富な画像や資料が貼付された本格的な著述だった。阪鶴鉄道の成立ち、宝塚の成立ち、国鉄有馬線から神有鉄道開業までの動き、国鉄有馬線の復活計画等々、興味深い記述が展開されている。
 中でも関心を持ったのが、国鉄有馬線と神有鉄道(現・神戸電鉄)の競合する2路線がなぜ認可されたのかという点と、現・福知山線の付け替え計画が1967年(昭和42年)に西宮市から陳情されたという点だった。付け替え計画については掲載の路線図面では名塩、武田尾、道場の各駅は存在せず、生瀬駅から現在の西宮高原ゴルフ、金仙寺湖北側、北六甲台の各ポイントを経由して西宮北インター付近に山口駅が計画されている。山口駅からは旧・国鉄有馬線の線路跡に沿って三田迄結ぶ旧有馬線の一部復活計画である。但し、この計画は三田中心部を通過せず直接三田ニュータウンに乗り入れた案として発表されたことから猛反対に遭い頓挫し、現在の路線に落ち着いたようだ。
 興味深い話題を盛り込んだN氏の著作を楽しく読ませてもらった。