藤沢周平著「密謀上・下」2019年12月24日

 藤沢周平著「密謀上・下」を再読した。読み終えてあらためてこの作品は歴史小説なのか時代小説なのかを考えさせられた。いずれとも断じ難い、いずれでもある作品である。結局、そんなことにこだわらず楽しんで読めればよいということなのだろう。
 ということでこの作品は楽しめたのかを問うてみた。藤沢作品の愛読者としては「微妙」である。時代小説の情感やエンタテイメント性や、歴史小説の史実に独自に切り込む鋭さともに消化不良だった。
 ただ直江兼続と石田三成との「密謀」が「関ケ原」という日本史上最大の戦争を演出したというこの一点に焦点をあてて、壮大な物語を構想し長編小説として書き上げた作者の力量に圧倒された。

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