障害者啓発の”道草”上映会と意見交換会2019年12月10日

 ノーマライゼーション推進協議会主催の映画上映と意見交換会の啓発イベントに参加した。 会場の山口ホールの参加者は約50名とやや物足りない。
 映画「道草」が始まった。4人の実在の知的障がい者の自宅での日常生活を追ったドキュメンタリーである。それぞれに当事者、家族、介護・支援者の関わり方や想いや葛藤がありのままに描かれる。在宅で過ごすことの多い当事者にとって外出の要望は強い。ところがこれには多くの障害がある。当事者が時に大声を発したり突発的な行動が起こりうるからだ。支援者はこうした状況に辛抱強く対応しながら当事者の外出をサポートする。知的障がい者施設の秋祭りのボランティアで表面的な関わりは経験したが、映像を通して当事者たちの日常の姿を初めてリアルに知ることができた。
 90分の上映の後、意見交換会になった。ホール前方に車座に並べられた座席に参加者が着席した。20名ほどの一般参加者に専門職や手話通訳、口述筆記ボランティア等のスタッフ10名ほどが加わる。6名の地区社協役員も参加した。
 当事者、当事者家族、障がい者支援施設スタッフ、地区社協役員などから感想、質問、意見があった。私からも地区社協に関わる立場から次のような意見を述べた。「知的障がい者のありのままの日常や関係者の葛藤を初めて知ることができた。地域ではどんな支援が可能かを考えさせられた。地区社協は高齢者、介護者、認知症当事者・家族、障がい者等の支援が課題だが、施設や人材の絶対数不足もあり、『在宅』という共通するキーワードが浮上していると思う。在宅をサポートするのが地域環境が必要だ。認知症サポーター養成講座で地域ぐるみの認知症理解が欠かせないのと同様、障がい者支援の環境づくりにこうした映画鑑賞等を通じた知的障がい者を包み込める地域の理解が欠かせない」。