地域のコミュニティー再生と地域交流拠点づくり2020年01月25日

 超高齢社会化、少子化、共働き世帯化の進行が地域コミュニティの脆弱化を招いる。我が町でも相次ぐ自治会員の退会、子ども会解散、関係団体の会員減少や役員欠員等が顕著で、つながりの希薄化、支え合い基盤の弱体化が進んでいる。
 西宮市は、2018年度より『共生型地域交流拠点』の開設・運営に関する補助金制度を開始した。この交流拠点は、誰もが参加できる常設の交流の場で、開設時2百万円、年間運営費5百万円を上限とした補助金が支給される制度である。
 地区社協を中心に福祉ネットと連携しながら我が町でもこの地域交流拠点づくりの検討に着手した。昨年12月には「共生型地域交流拠点の実践報告と意見交換」をテーマに地域福祉に関わる団体、組織、役職、活動グループに呼びかけて福祉フォーラムを開催した。25団体・役職の代表等47名の参加者が実践報告を聞き、意見や感想を述べあい拠点づくりのための課題を共有した。これを受けて2月には同じメンバーに呼びかけてフォーラムの意見・感想のまとめ、課題の整理、拠点づくりの進め方等を話し合う懇談会開催を予定している。
 こうした経過を通じて地域交流拠点づくりの本質的な意義が見えてきた気がする。第1義的には常設共生型地域交流拠点というハードと多世代の多様な層がつどいあう居場所運営というソフトの実現である。
 ところが着手してみて見えてきたのは、これを達成するための過程の重要性である。地域福祉に関わる関係者がどこまで幅広くこの拠点づくりに想いを込め関わりながらつくりあげるかが問われている。これまでつながりのなかった地域福祉の関係者がこぞってひとつの共通テーマを媒介として関わり合うことこそが貴重なのだと思った。それこそが、希薄化し脆弱化した地域コミュニティ再生の実践課程ではないか。その結果実現した拠点は、同時にコミュニティ復活の拠点につながる。