地域活動担い手の二つのタイプ2020年10月18日

 かねてから地域活動の担い手には二つのタイプがあると思っていた。地域交流拠点づくりを通してそれが具体的なイメージにつながった。端的に言えば既存の地域組織の役職に関わる担い手と、自主的な目的や意思の実現のために活動するNPOタイプの担い手である。
 拠点づくりには22の組織や役職や活動グループの参加がある。そのうち既存組織・役職からの参加は、自治会、社協、青愛協、SC21、老人会、婦人部、民生委員等の組織・役職である。子育てサークル、つどい場、障がい者家族会等のグループは目的や意志を共有して集まったNPO的な自主活動グループである。既存組織から派生して特定の目的を持った子ども食堂、介護者の会、オヤジ会、認知症カフェ等の中間的な意味合いのグループもある。
 これまでの会合での議論を通じて、既存組織役職者タイプとNPO的タイプのそれぞれの関わり方の姿勢や思考の違いを教えられた。役職者タイプはどちらかといえば受身の姿勢である。提案に対して意見は述べるが自ら提案することは少ない。権威や序列や秩序を重視する傾向がある。参加者の節度を求め、則を超えた発言や振る舞いに反発する面もみられる。一方、NPO的タイプはひとたび参加した以上積極的に関わろうという意気込みが感じられる。意欲的に提案したり、主催者の過度な意向を牽制する面もある。権威や序列にも捉われない発言や振る舞いが時に役職者タイプの顰蹙を買う場面ももたらす。もちろん以上の見方はあくまで一般的な傾向であり個別には人によって入り組んでいる場合もある。
 ともあれ通常はこうした二つのタイプのグループが席を同じくして協議を重ねる機会は少ない。地域交流拠点づくりという共通のテーマを持ったひとつの船に乗り込んだクルーだからこその出会いといえる。それだけに舵取りの困難さとそれを乗り越えた場合の達成感は大きいものがあるに違いない。

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