NHKスペシャル大戦国史2020年12月02日

 久しぶりに見応えのある歴史ドキュメンタリーを観た。NHKスペシャル大戦国史「激動の日本と世界」である。
 日本の戦国時代がヨーロッパの大航海時代と密接に結びつき、地球規模で世界の歴史と関わっていたという視点での迫真のドキュメンタリードラマだった。戦国の三人の覇者である信長、秀吉、家康がそれぞれにスペイン、オランダのヨーロッパ勢力と熾烈な駆け引きを繰り広げたというドラマが新たに入手されたヨーロッパ側の資料に裏付けられながら描かれる。
 三人が覇権を争っていた日本の戦国時代は、ヨーロッパでは超大国スペインと新興国オランダがアジアでの覇権を争っていた大航海時代だった。三人の覇権をめぐるそれぞれの思惑とヨーロッパの二大強国の思惑が絡み合う。
 個人的に興味深かったのは、スペインとオランダの日本の三人の覇者への接し方の違いである。ともに狙いは当時有数の産出国・日本の保有する国際通貨資源の銀である。キリスト教による植民地化の意図を持つスペインは銀獲得と合わせてキリスト教の布教の自由を条件とする。これに対し利益追求に徹したオランダは銀の代償として日本側の要求する武器弾薬を提供する。家康の実利優先の老獪な判断によって最終的にオランダが日本との利権を獲得する。
 初めて知った情報に戦国時代の終焉とともに余剰化した日本のサムライがオランダを介して東アジアの戦場に傭兵として進出していたという点がる。納得性のある視点だった。

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