かかりつけの済生会病院がなくなる!?2022年01月17日

 郵便受けに一枚のパンフレットが入っていた。済生会兵庫県病院の文字が目についた。済生会兵庫県病院は私のかかりつけ病院である。ところがこの病院は経営悪化を背景に隣接の三田市民病院との再編統合が検討されている。2019年には三田市、神戸市、済生会県病院の3者が協議する「北神・三田急性期医療連携会議」が発足している。パンフレットはこうした動きに対し北神地域の基幹病院の存続を求めて開催予定の住民決起集会の案内だった。
 コロナ禍で公立病院の役割が見直されている。昨年6月の毎日新聞の社説でこのテーマでの論説を目にした。共感できる内容であり抜粋しておきたい。

 『新型コロナウイルス流行への対応で、公立病院が存在感を増している。多くの施設が患者を受け入れ、医療崩壊を食い止める防波堤となっている。だが、公立病院は政府が進める統廃合方針の渦中にある。地域医療に果たしている役割を改めて見つめ直すべきだ。
 コロナ禍では、発熱などがあっても患者が入院できないという病床不足が深刻化している。背景には病院の「公・民」バランスがある。精神科病床などを除き日本の病院には約120万床あり、世界トップクラスだ。だが、民間病院が8割を占め、多くの病院は院内感染防止措置などが取れず、病床確保が困難だった。
 そうした中で公的な病院は8割程度がコロナ病床を用意し、患者受け入れの中核を担った。(略) だが、公立病院を取り巻く環境は厳しい。厚生労働省は一昨年秋、全国の公立病院などをふるいにかけ、424機関を再編や統廃合の検討対象とする「リスト」を地方の頭越しに公表した。国の再編押しつけは公立病院が担う緊急時の役割を軽視し、コスト偏重に走っていたと言わざるを得ない。
 コロナ対応で明らかになった地域医療の脆弱(ぜいじゃく)さをまず十分に検証すべきだ。そのうえで「公・民」のバランスや、緊急時の対応能力も十分考慮し、自治体主導で医療圏を構想していく必要がある。コロナ禍のあおりで、公立病院の統廃合作業は現在、一時的な凍結状態にある。
 それでもほとぼりが冷めれば、再燃するのではないかとの懸念が地方には根強い。政府はまず、再編リストを白紙に戻すべきだ。』

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