ジェフリー・アーチャ-「めざせ ダウニング街10番地」2022年08月01日

 ジェフリー・アーチャ-作品の再読3巻目は「めざせ ダウニング街10番地」だった。1964年のイギリス下院選挙で当選した3人の新人議員が首相の椅子を目指してしのぎをけずる物語である。それぞれに貴族、中流階層、労働者出身の3人が保守党、労働党に分かれての闘いは波乱に満ちて読み応えのある展開で読者を飽きさせない。
 著者自身が下院議員の経験者であり、それだけに実際の政治の舞台の経験者として実在の事件や人物を折り込んでリアリティのある物語にしあげている。
 物語の興味は結局3人の内、誰が首相の座を射止めるのかという一点に絞られる。この点について作者は極めて巧妙に最後まで隠し通している。稀代のストーリーテラーの真骨頂である。そして物語の最後の一行になって初めて結論が明かされる。その驚くべき筋立てに舌を巻くほかない。
 時あたかもイギリスでは与党保守党の党首選真っ只中である。スーナク前財務相とトラス外相の二人が決選投票に臨んでいる。この作品を通して得られたイギリスの首相選びの仕組みについての知識が、現在の保守党の党首選挙の動向を一層身近なものにしている。

盛夏に忍び寄る秋の気配2022年08月02日

 早朝ウオーキングの定番コースの一角に有馬川沿いに建つ名来神社がある。神社前を折り返して天上橋、新明治橋を辿ってセブンイレブンでコーヒー片手に文庫本を読んで帰路に着く。天上橋と名来神社を繋ぐ有馬川沿い東側の土手道は季節を満喫する心地よい散歩道である。
 名来神社のふもとに”ポツンと一軒家”がある。隣家が全くない文字通りの一軒家である。有馬川と東の丘陵に囲まれた土手道から一段低い稲田の北の端に建っている。
 その一軒家の横の土手道を歩いていた。庭先には何本かの植樹に交じって栗の木が植えられている。土手道からは栗の木が真横に眺められる。葉っぱに埋もれるように鮮やかな黄緑のイガに包まれた栗の実が目に留まった。丸いイガの縁は光を浴びて淡い輪郭を描いていた。
 真夏が始まったばかりの季節である。盛夏に忍び寄る秋の気配を目にした。

蝉の合唱コンクールが始まった2022年08月03日

 早朝ウオーキングのスタート近くに毎日立ち寄る児童公園がある。ジャングルジムの鉄製の枠組みの最上部に掴ってぶら下がり運動をするのを日課にしている。先日からセミの合唱が始まっているのに気がついた。そう思って鳴き声を頼りにさくら並木を目で追った。いたいた!太いさくらの幹に一匹のアブラゼミが取り付いてひと際大声で叫んでいた。
 コンビニでモーニングコーヒーを終えて自宅に向かった。国道176号線上の新明治橋が有馬川跨いでいる地点に来た。北側の歩道から青空をバックに聳えている山口の大ケヤキを眺めた。その大ケヤキを発信源にセミの大合唱がかしましい。大ケヤキに取り付いたとんでもないほどの数のセミが一斉に鳴き声を揃えている。騒音というほどのやかましさもまたこの時期の風物詩である。

散歩コースの”ポツンと一軒家”2022年08月04日

 散歩コースで目にした栗のイガの実の話題をブログで綴った。それはとある民家の庭先の栗の樹の実だった。
 実はその家はかねてから気になっていた民家だった。人家から距離のある名来神社の丘陵の麓に建っていた。北側は丘陵、東側と南側は稲田、西側は有馬川とその土手道で囲まれている。文字通り”ポツンと一軒家”である。最も近い個人住宅とは100ⅿ以上離れている。
 名来神社の参道入口の石の鳥居と有馬川支流にかかる橋の真ん中に民家が見える。鳥居の前から民家の東側の間を一本の畦道が通っている。畦道の先には星霜を重ねた名来墓地がある。
 それにしても合点がいかない。なぜこの家の住人はこんな場所に住まいを設けたのだろう。何度もこの辺りを歩いているが、いまだに住人の姿を見たことはない。”ポツンと一軒家”の謎は消えない。

市民農園に咲いた朝顔の花2022年08月05日

 早朝ウオーキングでしばしばお気に入りの風景を目にする。今朝は自宅のある住宅街のすぐそばの市民農園で見かけた朝顔が目に留まった。
 住宅街の住民の何人かが様々な野菜を育てている貸農園である。その一角に畑に直接植えられた朝顔の一群が咲いていた。プラスチックの細竹に巻き付いたツルのあちこちに濃いピンクの花が咲き誇っていた。よく見かける鉢植えの優し気な柔らかさは窺えない。小ぶりな花弁はピンクの濃い色合いと相まって野性のたくましさを漂わせていた。

家内のご近所女子会グループのネットワーク2022年08月06日

 家内のご近所女子会グループの付き合いが活発だ。それはそれで結構なことだ。老後の夫婦関係は”夫婦は一人、時々二人”がモットーだ。日常はお互いが放し飼いで過ごし、いざという時には支え合うという距離感こそが肝要だ。
 ところでそんな女子会の常連メンバーたちが繰り広げるおしゃべりは多岐に渡り尽きることはない。お買得お買い物情報、互いの健康や病いの状況、病院・クリニック等の医療情報、子どもや孫の近況、共通の趣味である貸農園や家庭菜園のノウハウ共有、最寄りの飲食店のグルメ情報、有益なネット情報、ご近所の噂話等々。おしゃべりついでに話がまとまればそのままお買い物やお食事にしばしば出かけることになる。
 家内の女子会グループ情報は、時に私の生活スタイルにも影響をもたらす。コロナワクチンの接種はグループの主婦たちの情報や世論で私の思惑を超えて否応なく家内の接種に同伴させられる。PayPayのマイナポイント付与キャンペーン情報を入手すれば即座に夫婦のスマホにポイント入力を処理させられる。
 これもまた”夫婦は一人、時々二人”の実践と言えなくもない。

抗原検査キットを購入した2022年08月07日

 家内がご近所女子会での気になる話題を持ち帰った。ある奥さんが抗原検査キットをネット購入したという。コロナ感染の第7波を迎えて主婦たちでも感染対策が関心事である。我が家でも購入しておいた方が良いのではないかとせっつかれた。いつもの節約志向も仲間うちの同調圧力には至って弱い。抗原検査は、ウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出するもので 短時間で結果が出て、特別な検査機器を使わなくてもできるようだ。
 個人的にはコロナは今やインフルエンザに近い感染症と思っている。発熱があったとしてもかかりつけ医に行かずに済めばそれにこしたことはない。発熱症状がコロナ感染か否かを自宅で判断できれば、自宅療養で済ませることに不安はない。そのためにも抗原検査キットが手元にあることは望ましい。
 そんな判断から、すぐにの抗原検査キットット(税込・送料込6個セット3,680円)をネット注文した。テレビでもPCR検査や抗原検査キットは全国的に注文が殺到し品薄状態だと報道されている。商品到着はかなり遅れるのではないかと思われた。
 ところが以外にも早く発注後3日で商品(抗原検査スティック)が到着した。日本製で「唾液を採取して約10分で検出」とのこと。一安心である。

転機を迎えた交流拠点づくり2022年08月08日

 地域交流拠点づくりが転機を迎えている。交流拠点のタタキ案を作成する検討委員会で、拠点づくりの枠組み自体の見直しが議論された。直接のきっかけは検討委員の派遣の在り方を巡るものだ。検討委員会は、自治会、民生委員、高齢者福祉、児童福祉、地域活動等の分野ごとに選ばれた委員で構成されている。検討委員会のタタキ案を協議決定する場が拠点づくりの地区代表者会議である。
 分野別の代表者による拠点のタタキ案づくりという方式は、地域の幅広い意向を汲み取りながら拠点づくりを進めようという趣旨の枠組みである。
 ところが幅広い層の組織代表者たちのコンセンサスを重視するあまり、異論があると検討が進捗しないという弱点が露呈した。加えてコロナ禍で会議開催が中断したこともあり、いたずらに時間が経過した。そんな経過の中での検討委員会の在り方の見なおし協議だった。 
  検討委員会では、今後の進め方について次のように確認した。「拠点づくりの現行の枠組みをリセットし、代表者会議参加の自主活動グループの代表者に声掛けし、その中からリーダーを含めた拠点づくりのメンバーを募る。検討委員会はサポート役に徹し、地区社協は事務局としてバックアップする」 。
 代表者会議には、自治会や地区社協などの地域組織と、つどい場や障がい者家族会などの自主活動グループが参加している。7月に開催された地区代表者会議でも、拠点づくりに着手して3年余りの時間の経過もあり、当初のわくわく感が薄れてきた点は否定できない。
 今後は、自主活動グループを中心に原点に立ち返り新たな枠組みでのシンプルでワクワク感のある再出発を目指すことになった。

えらいこっちゃ!花ちゃんのお迎え前日に父ちゃんが発熱2022年08月09日

 昨晩、娘から驚愕のメールが届いた。「父ちゃんが発熱してコロナの疑いもあるので、明日の花ちゃんのお迎えはキャンセルにしてほしい」というもの。
 コロナ禍で孫娘一家のお盆の帰省が2年続きで中止になっていた。行動制限も解除された今年こそは帰省を待ち望んでいた。今朝早くに大津の花ちゃん宅を訪ねて孫娘だけを一足早く迎えに行く手はずだった。その期待はあっけなく消えた。
 じいちゃんばあちゃんの嘆きもさることながら、今後しばらく続く娘の苦労をおもんばかった。父ちゃんの隔離生活のサポート、花ちゃんの学童保育のお休みによる子育て等を、在宅勤務をこなしながら一手に引き受けることになる。こんな時こそ祖父母が手助けしてやりたいがコロナ感染を考えればそれも叶わない。
 我が家に訪れた初めてのコロナ禍との遭遇である。

花ちゃん一家のコロナ感染続報!2022年08月10日

 一昨日に孫の花ちゃんの父ちゃんが発熱した。コロナ感染者の激増で昨晩ようやく最寄りのクリニックで受診できたという。検査結果は陽性だった。同じ頃、母ちゃんも発熱こそないものの喉の痛みを訴えていた。そして今日午前中の受診で母ちゃんの陽性も判明した。症状のない花ちゃんは検査はできないとのことだが発症は時間の問題だろう。
 孫娘一家のコロナ感染という事態を迎えた。一家の家事の大黒柱である娘の負担が思いやられた。とはいえ一家の住まいは車で1時間を要する大津市である。なすすべはない。
 家内が俄然頑張りをみせている。買物にも行けない娘に代わって食材手配をし、宅急便で配送する準備に余念がない。娘とメールのやり取りをしながら当面の食材を今日中にも発送するようだ。
 いざという時の母心のたくましさと威力を垣間見た。